予防

脳梗塞は三白を避けることから始めてみよう

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 ある日突然、脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる恐ろしい疾患を引き起こす元になるのが、サイレントキラーとも呼ばれる生活習慣病です。自覚症状がほとんどないこの病気は、その名の通り、偏った食事や喫煙、過度の飲酒など好ましくない習慣や環境が積み重なって、その発症のリスクが高まります。そこで、今回は偏った食事の中でも、特に「三白の害」についてご紹介します。

三白とは(精糖、精塩、白米)

三白の害

 「白砂糖は良くない」と云うことを耳にした方は少なくないと思いますが、「三白の害」と云う言葉には馴染みの無い方もいるかもしれません。「三白の害」とは「食物において白い物は体に害を及ぼす」と云う意味です。自然界において白い食べ物と云うものはあまりなく、ほとんど何か色がついているもので、白いと云うことは何かしら人間の手が加わったものであることを意味するのです。
“三白”とは精製された白い食品を指します。特に“白砂糖”“精製塩(自然塩ではなく人工的に大量生産された塩)”“白米”のことで、本来その食品が持ち合わせてるビタミンやミネラルなどの豊富な栄養素をほとんど取り除いて、味や見栄え、コストなどを優先して生産された食品の中でも代表格と云われるものです。

白砂糖

今、流行の妊活ブログでは、通院先の先生から、「砂糖は毒だと思いなさい!」と云われたそうです。砂糖はカルシウムの吸収を防ぎ、せっかくの栄養素を排除してしまいます。白砂糖を多く摂れば摂るほど、ビタミンB1、B2、カルシウムが欠乏し、精神や神経に悪影響を及ぼし、いわゆる「キレ易い」性格を作る原因にもなるようです。甘い物は満足度が高く、血液中のブドウ糖、血糖値が急上昇して疲れをとり、気分がよくなりますが、急な血糖値の上昇を下げる為にインスリンが分泌されます。すると疲労感を感じ、また甘い物を食べると云う悪循環に陥ってしまいます。これが「低血糖症候群」なのです。脳細胞はブドウ糖しかエネルギーとして使わないので、低血糖は脳の機能低下の原因となり、イライラやうつ病を引き起こします。白砂糖に替わるものとして、加工度の低い順に「黒砂糖」>「和三盆」>「三温糖」などがあります。ただ、まだましと云う程度ですから、出来るだけ加工度の低い甘味料に変えたり、自然界にある甘い物(果物など)を丸ごと食べるようにしましょう。
そうすることで、体内への吸収が遅くなる上、ミネラルやビタミンも一緒に摂れ、体内での調整が行われるので体外への排出も早まります。白砂糖の原材料はサトウキビやテンサイと云う植物です。砂糖は植物由来の食品ですから、一見、身体に良さそうに思えますが、原材料を高度に加工して作っているので、もう「植物」とは考えるべきではないのです。白砂糖の作り方は、今、世の中を騒がしている麻薬のコカインと同じだとよく云われます。コカインもコカと云う植物の葉を徹底的に精製して、アルカロイドと云う中毒性の物質を抽出しますが、サトウキビを高度に精製したものが白砂糖だと考えた方が良いでしょう。高度に精製されたサトウキビには植物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養は全て失われ、何度も加熱されることによって酵素も死んでしまいます。

白砂糖の成分

白砂糖の学名はスクロース(ショ糖)と云い、グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)が半分ずつの二糖類に属します。

【グルコース】:体のエネルギー源として重要ですが、身体に既に炭水化物をたくさん摂取しているところに、砂糖を摂るとブドウ糖が余って、脂肪になります。生活習慣病の肥満に一直線です。がん細胞がグルコースを栄養源にして大きくなるのも問題ですね。

【フルクトース】:グルコースが身体の全ての細胞のエネルギー源になるのに対し、フルクトースは肝臓でしか分解できないので、過剰摂取は肝臓の負担になるのです。肝臓がフルクトースを分解すると、中性脂肪が出来て、肝臓の中に溜まります。処理出来ないほど溜まると、血液中に入り込み、動脈壁に脂肪が溜まって動脈硬化の原因になるわけです。これも脳梗塞・脳卒中に一直線ですね。また、フルクトースはグルコースと違って、インスリンをうまく刺激しないので、たくさん摂取しても満腹感を感じず、食べ過ぎる危険性があります。

精製塩

海水から出来るだけそのままに作られた「自然海水塩」なら、多くのミネラル成分が含まれて人間の体液バランスとよく似ており、胎児が命を育む羊水とほぼ同じ成分比率で成り立っているため、私たちの健康維持に役立ちます。しかし、精製塩は塩化ナトリウム純度99%以上で、海水からお塩を作る時にミネラルなどの身体に有効な成分を全てカットして作られます。だから、私たち人間の体液と比べて極端にナトリウムが多すぎて、身体に負担をかけ易く、やがて病気の原因となるのです。精製塩の99%以上の成分は塩化ナトリウムですが、この成分は塩だけに含まれるわけではなく、肉やお魚のような動物性食品やうまみ調味料である化学調味料にも含まれています。うまみ調味料はグルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなどのナトリウム化合物なのです。スーパーで売られている多くの物に食品添加物などの化学薬品が含まれているのですから、現代人はかなり気を付けていても、ナトリウム過多となりがちなのです。せめて家庭で使うお塩は精製塩をやめて、「自然海水塩」のような自然塩にした方が良いでしょう。

「塩分の摂り過ぎ=高血圧」の2つの誤解

① 古代より塩は生きていく上で必要不可欠で貴重なものですが、その塩が高血圧を引き起こして脳卒中や心臓病につながると云われ出したのは、戦後40~50年のわずかな間だけなのです。塩=悪のイメージを作り出したのは、ダール博士の統計調査とメーネリー博士の実験による誤った認識の流布にあると云われます。

・ダール博士の統計調査報告:1954年アメリカのルイス・ダール博士が塩の摂取量と高血圧の因果関係を日本の青森を含む世界5地域で調べました。その結果、塩分摂取量の多い青森の高血圧発症率が高かったことで、「塩分過剰が高血圧につながる」と唱え、その考えは瞬く間に世界中に広まりました。

・メーネリー博士の実験:1972年アメリカのジョージ・メーネリー博士がネズミを使った実験で、「毎日20~30g(人間に例えると厚労省の推奨値の約63倍、500g相当)の食塩を摂取させたら、10匹中4匹が高血圧になった」と論文で発表しました。

これらによって、「高血圧の犯人は塩分の過剰摂取」だと世界中で信じられるようになったのですが、1988年にロンドン大学などがイギリス、アメリカ、日本など32ヶ国、約1万人を対象に大規模疫学調査「インターソルトスタディ」を行いました。この調査の結果、1日の塩分摂取量が6~14gの人たちには、塩分摂取と高血圧に相関関係が見られませんでした。日本人の平均的塩分摂取量は10~12gだから、普通に食事している分には塩分が高血圧の原因になることはないのです。

② 「塩分の摂り過ぎ=高血圧」の塩とは精製塩のこと:
精製塩とはイオン交換膜法で精製した純度ほぼ100%の塩化ナトリウム(Nacl)のことで、食塩または食卓塩と呼ばれています。元々の海水や岩塩には塩化ナトリウムの他には微量のカリウム、カルシウム、マグネシウムなどの必須ミネラルが含まれていましたが、精製の段階でこれらの必須ミネラルは全て除去されてしまったのです。「塩分の摂り過ぎ=高血圧」の塩とは自然塩、天日塩のことでなく、純度ほぼ100%の精製された塩化ナトリウムのことを云うのです。

白米

白米は農産物検査法で、3等以上に格付けされた玄米及び、それに相当する玄米を精米したものを云います。デンプン以外の栄養素は擦り落とされた胚芽と糖層に多く、栄養的に偏っています。特にビタミンB1は100g中に、白米は0.07㎎、玄米では0.4㎎と、白米は玄米の6分の1しか含まれていないのです。白米のみの食事はビタミンB1欠乏症をもたらし、江戸時代では上流階級(将軍家や皇室など)に、明治以降では庶民層にまで脚気が広がりました。日露戦争では陸軍が白米支給に固執したので、脚気惨害を引き起こし、動員兵数100万人のうち、戦死4万6千人、戦傷15万人に対し、25万人強の脚気患者が発生し、入院患者のうち、2万7千人が亡くなったとされています。

米の構成

米の構成は、「胚芽」「ぬか層」「胚乳」から成り、玄米から「ぬか層」を取り除くと「胚芽精米」になり、胚芽精米から「胚芽」を取り除いて「精白米」となります。精白米の成分はほとんどデンプンだけですが、収穫した米から籾殻だけを取り除いた玄米には、食物繊維やマグネシウム、ビタミンB群・E群・ミネラルなどが豊富に含まれています。

グリセミック指数(GI値)

「グリセミック指数(GI値)」とは炭水化物が消化されて、糖に変化する速さを相対的に表す数値です。GI値が高いほど、炭水化物の吸収が早く、食後の血糖値が上昇し易くなります。玄米は歯ごたえがあり消化吸収が遅いので、精白米よりGI値が低く、相対的に食後の高血糖になり難いと考えられています。GI値は2型糖尿病のなり易さと関連し、精白米の摂取量が多いと、2型糖尿病の発症リスクが上がる恐れがあります。精白米でなく、精製されていない玄米や全粒粉の摂取を増やせば、糖尿病の脅威は減るでしょう。

三白を摂り続ければ脳梗塞に一直線

「一無、二小、三多」で生活習慣病予防

日本生活習慣病予防協会では、「一無、二小、三多」を提唱しています。

一無:

無煙=禁煙の勧めです。「タバコの三悪」と云って、タバコによって体に運び込まれるニコチン、タール、一酸化炭素のことを云います。
・ニコチンは糖尿病や脂質異常症などのリスクを高め、中枢神経系の興奮と抑制が生じ、心臓、血管系への急性影響をもたらします。
・タールはいろんな発がん物質、発がん促進物質、その他有害物質が含まれます。
・一酸化炭素は赤血球のヘモグロビンと結びついて一酸化炭素ヘモグロビンを形成し、血液の酸素運搬機能を妨げます。これを補助するために赤血球が増えた状態(多血症)になるので、血液がドロドロになって血栓を作ります。

ニ小:

・小食-昔から「腹八分目に医者いらず」と云われるように、暴飲暴食を控えることが身体の機能を健康に保つ上で大変重要なのです。生活習慣病で食事療法がよく叫ばれることからも、糖尿病、脂質異常症、高血圧予防・治療の基本はいつも食生活にあるのです。お腹いっぱい、満腹まで食べる習慣をやめて、腹七~八分目位でやめるよう心がけましょう。最も望ましい組み合わせは、主食と一汁三菜、果物、乳製品と云われ、偏食をせず、良く噛み、三食を規則正しく食べましょう。そこで三白(精糖、精塩、白米)を控え、食物繊維を豊富に摂ることが重要なのです。
・小酒-生活習慣病はアルコールと密接に関わっているので、大酒は多くの疾病が誘発される可能性が高まります。「酒は百薬の長」とも云われますが、厚労省が提唱する「健康日本21」では、アルコールは1日20g(日本酒で一合程度)の摂取が望ましいとしています。

【主な酒類のアルコール量の目安】

種類

アルコール度数

純アルコール量

ビール(中瓶1本500㎖)

4%

20g

清酒(1合180㎖)

15%

22g

ウイスキー・ブランデー(ダブル60㎖)

43%

20g

焼酎(35度)(1合180㎖)

35%

50g

ワイン(1杯120㎖)

12%

12g

三多:

三多(さんた)は、多動(体を多く動かす)、多休(しっかり休養する)、多接(多くの人、事、物に接する生活)の勧めです。
・多動-「2本の足は2人の医者」と云う格言があります。1日に20分の歩行を2回、体操・筋力トレーニングを各10分。健康づくりに身体を活発に動かすことは欠かせません。先ずはよく歩いて、活動量を増やしましょう。
・多休-休養をしっかりとる。標準は6~8時間ですが、快適な睡眠時間には個人差があり、あなたの活動量に合った適正な睡眠時間をとりましょう。しっかり休養をとる意味で「睡眠」に限らず、仕事の合間には「休憩」、月6日以上の「完全休日」、夏休みや年末などの「休暇」をとって、心身ともにリフレッシュすることも大切です。
・多接-多くの人や事柄、物に接して創造的な生活を行いましょう。幾つになっても社会に貢献できる、そう云った心持が若さを維持させます。そのような生活を送れるように工夫を凝らして、何かを常に想像出来るような趣味を持つ事がおススメです。必ずしも仕事とは無関係でも、多くの人と交流し、多くの事柄に興味を持って、趣味に溢れた創造的生活を送ることが健康長寿には欠かせないのです。

脳梗塞では血管を守ることが大切です。三白を避けない食生活を続けると、生活習慣病から高血圧や高血糖、脂質異常症で血管が痛み、血栓が出来て脳梗塞に繋がります。脳梗塞予防は先ずは三白からですね。

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