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あれ?この症状もしかして?脳卒中の予兆と初期症状とは?

不意にめまいを起こして意識をなくした場合、失神ならば一過性の脳血流低下のせいで、脳機能が全般的低下したもので数分で回復し、通常は脳卒中とは区別されます。
しかし、脳卒中のような血管障害では、生命を一瞬にして奪うことがあります。そうでなくても言語障害や半身不随などの重い後遺症をもたらします。そのような事態を防ぐためにも、日常の予兆に気を配り、その予防に努めることが大切です。

予兆

実は症状が出ない場合も多い、こういう人は注意しましょう

脳の血管が詰まる脳梗塞や血管が破れる脳出血で倒れた人を検査すると、その前に症状が出ていない軽い脳梗塞を経験していることが多いのです。大事に至る前に「症状の出ない脳梗塞」を見つけましょう。

高血圧の人:上が140㎜Hg以上、下が90㎜Hg以上の人は高血圧です。

脳卒中の発症率は軽症の高血圧(収縮期血圧が 160mmHg 未満、拡張期血圧が 100mmHg 未満)の人は 4.2倍、重症の高血圧(収縮期血圧が 180mmHg または拡張期血圧が 110mmHg 以上)では 6.2倍脳卒中にかかりやすいと報告されています。高血圧は治る病気ではありません。

血管の老化が原因で、血管が硬くなって血圧が上がってきているので、例えれば、顔のしわがとれないのと同じように、血管の硬さは戻りません。薬を飲んで血圧を下げても、止めればまた上がるので、血圧の薬は一旦飲み始めれば、一生の付き合いと考えてください。

糖尿病がコントロールできない人

ヘモグロビンA1c(HbA1c)が6.5%以上だと糖尿病がコントロール出来ていないので、脳梗塞の危険性は9.65倍になります。脳梗塞の場合、コントロール出来ている人と比べて、危険性が倍になります。

高脂血症の人

悪玉LDLコレステロールが140㎎/dL以上、善玉HDLコレステロールが40㎎/dL以下、中性脂肪が150㎎/dL以上、このどれか一つでもあると高脂血症と云われます。LDLコレステロールが高い人はきちんとコレステロールを下げる薬を飲みましょう。
高脂血症の場合、高脂血症でない人と比べて、アテローム血栓性脳梗塞のリスクは1.37~2.33倍になります。しかし、コレステロールは血管の組織を維持するために必要不可欠なものです。死亡率が上がりますので下げ過ぎには注意が必要です。

肥満の人

 BMI[体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)]=25以上を肥満と定義しますが、内臓脂肪を評価する値としては、ウェスト周囲、男性85㎝以上、女性90㎝以上あれば肥満と呼んでいいでしょう。肥満は脳梗塞の危険因子として直接には働きませんが、内臓脂肪が多いと、そこから遊離脂肪酸(体内の脂肪の一種)が放出されて、血液中の脂肪分が高くなる脂質異常症が起きたり、インスリンに対するからだの反応が低下する「インスリン抵抗性」が起きます。また、内臓脂肪の蓄積は、それ自体が細胞レベルの活動に異常をもたらし、動脈硬化を引き起こします。つまり、間接的に肥満も脳卒中の危険因子となります。

喫煙者

喫煙は脳梗塞の発症率を2倍に、くも膜下出血では2.2~3.43倍にも増やします。例えば、1日10本以下ならいいだろうと云う話ではなく、10本以下でも20本以上でもくも膜下出血の発症率に変化がないというデータがあります。たばこは吸わないことが一番です。

心筋梗塞や狭心症にかかったことのある人

脳卒中は血管の病気だから、動脈硬化は脳だけでなく、心臓、足の血管など体のいたるところの血管で起こるので、心筋梗塞や狭心症にかかったということは、動脈硬化がかなり進んでいるという大きな指標になります。

不整脈(心房細動)のある人

特に心房細動(心房が不規則にビクビクと痙攣するような状態の拍動をする不整脈のこと)のある人はない人に比べて約2~7倍脳梗塞になり易いです。循環器内科できちんと診断を受けて、しかるべき治療を受けないと危険です、しっかり予防しましょう。

血縁に脳卒中の人がいる人

特にくも膜下出血は血縁者に脳卒中の人がいる場合は6.6倍起こり易くなります。

アルコール多飲・過飲の人

日本酒1.5合、ワイン200mL以下が適量と云われます。特に日本酒換算で3合(エタノール70g)飲む方では、くも膜下出血の発症率は4.7倍、脳出血は3.4倍になります。

以上、一般的に生活習慣病(ストレス、運動不足、不健康な食事など)と云われる好ましくない習慣や環境が積み重なると発症のリスクが高まります。

【症状の出ない脳梗塞への対策7カ条】

  • 第1条 たばこをやめる。
  • 第2条 危険因子を除くために、減塩など食事に配慮する。
  • 第3条 ウォーキングなどの運動をする。
  • 第4条 適切な水分補給に努める。
    ※午前4時から5時にかけては、脳卒中の最も発症し易い「魔の時間帯」です。
    寝る前にコップ1杯の水を飲むようにし、その時間に水を飲むのも良いでしょう。
  • 第5条 急激な温度変化を避ける。
  • 第6条 簡易血圧計などを備えて、こまめに測定する。
  • 第7条 血栓など徴候に応じた予防薬を服用する。

脳ドック

 小渕恵三氏、イビチャ・オシム氏、西條秀樹氏、長島茂雄氏、この方々を突然、襲ったのが脳卒中であり、今も後遺症が残り、リハビリをされています。この病気は「発症してから」の治療では遅く、「発症前の予防」が重要なのです。そこで、脳の病気を未然に発見するために、「脳ドック」が登場しました。

検査項目

・MRI(磁気共鳴断層撮影)  縦横斜めあらゆる方向から脳の断面画像を映し出します。発症間もない脳梗塞の病変や小さい梗塞なども鮮明に映し出せます。

・MRA(脳血管撮影)  血管を立体画像で映し出します。動脈硬化が進行して血流が細くなった血管や動脈瘤を発見できます。

・マルチスライスCT  脳血管領域での微細な血管構造を描き出します。MRIより撮影時間が大幅に短縮され、患者さんの負担が大幅に軽減されます。

・超音波検査  直進性の強い超音波をなどに当て、反射エコーを画像化します。脳血管の動脈硬化や閉塞、狭窄などが判ります。

・脳波測定  脳の電気的活動状況を調べます。脳梗塞、痴呆、脳腫瘍、てんかんなどの発見を行います。

・血圧測定  高血圧は脳卒中の最大の危険因子なので、血圧測定は重要です。

・血液検査  高血圧や糖尿病などの全身の病気や血液成分の異常を調べます。

・尿検査  糖尿病などになると血管壁が厚く、硬くなって柔軟性がなくなり、血液の通り道が狭くなる「動脈硬化」を引き起こし易くなります。腎臓では糸球体という毛細血管で尿が生成されるので、動脈硬化が進むと尿検査で異常が出ます。

・心電図  心房細動という不整脈がでると、血栓が作られ易くなり、血流に乗って脳に達すると、脳梗塞の一種の心原性脳塞栓症を突然引き起こすので、検査します。

・眼底検査  眼球内の奥の部分(眼底)の状態を検査し、高血圧や動脈硬化に伴う血管の変化を検査します。

初期症状

人は栄養と酸素を血流を通して脳に送っていますが、コレステロールの取り過ぎや動脈硬化が進むと血液がドロドロになって、脳に栄養と酸素を送れなくなります。すると、脳が壊死して脳卒中の初期症状が起こります。

脳卒中の初期症状を見逃すな!

  • 片目がボヤけたり見えなくなる。
  • ろれつが回らず言葉が出てこない。
  • 頭痛や吐き気がする。
  • 歩くことが出来ない。
  • 顔面の麻痺と片手片足がしびれる。
  • 簡単な計算が出来ない。
  • 心臓の鼓動のような耳鳴りがする。
  • フワフワした感じのめまいがする。
  • 文字が書けない。

以上のような脳卒中の初期症状が出たら救急車を呼ぶのが最善で、とにかく早めに病院で診察を受けましょう。脳梗塞の場合、初期症状の出る確率は30%とされていますので、必ず見過ごさないようにしましょう。
脳梗塞が一旦完成してしまえば、死んだ脳細胞を生き返らせるのは困難です。

一過性脳虚血発作(TIA)

手足のしびれや運動障害、言語障害などの脳卒中の症状が、短時間、通常1時間以内で消えてしまう発作で、画像診断では脳梗塞の病変が認められないものを一過性脳虚血発作と言います。小さな血栓が一時的に脳内の血管を閉塞させて神経症状が出るのですが、何らかの理由で再び流れ出して、症状は回復します。多くの発作が数分で消えるか、長くても1時間以内に回復するので、そのまま放置する人が多いようです。
しかし、この発作はその後の大きな脳卒中の発作を起こす前兆となります。TIAのあとは、48時間以内に脳梗塞を起こすことが多いと報告されています。

脳卒中治療は時間との闘い

脳卒中・・・それは時間との勝負です。
なぜなら時間が経てば経つほど、体に重篤な後遺症を発症する恐れがあるからです。ちなみに脳梗塞発症後すぐなら(約4.5時間以内)、血栓を溶かす薬物治療で、ほぼ緩和できます。

アメリカ心臓協会(AHA)―7つのポイント―

  1. 発見:発見したら、すぐ救急車を呼ぶ。(むやみに患者さんを動かさない)
  2. 救急車の出動
  3. 搬送
  4. 病院到着
  5. 情報収集:患者さんを発見した人は発見した時の情報を医師に正確に伝える。
    発症した時間が判らない場合は、最後に会った元気な姿を確認した時間を伝え、発見時間=発症時間ではないことを付け加えましょう。
  6. 治療法の決定
  7. 薬物選択・治療:情報収集を得たあと、医師が治療法を決定し、その治療に関わる薬物等を選びます。

脳卒中と頭痛

頭痛は非常にありふれた症状で、日本人の4人に1人が頭痛に悩んでいます。片頭痛と緊張型頭痛(肩こり頭痛)は命に関わることはないのですが、急を要する“危険な頭痛“の多くは、脳血管の病変に関係しています。

くも膜下出血による頭痛の特徴

・突然発症し、何時何分に痛くなったかが、判るくらい急な発症。
・痛みは強いことが多いが、軽い人もいます。くも膜下出血は女性に多い傾向があり、特に家族にくも膜下出血を経験した方がいる場合は、上記の頭痛に要注意です。

脳動脈解離による頭痛の特徴

・発症は突発の時もそうでない時もあります。くも膜下出血ほどではないが、比較的急に起こり、その後やや増強します。
・頭痛持ちでなかった中年男性(40~50代)に多いです。
・痛みの程度は、我慢できるくらいですが、市販の鎮痛薬を飲まないと仕事や家事に支障が出ます。
頭痛で終わる人が大部分ですが、断裂すると血管全体を塞いで脳梗塞になったり、また断裂が最外層までになると、血管外に血液が漏出し、くも膜下出血になります。

脳静脈洞血栓症による頭痛の特徴

・徐々に頭痛が増強し、意識障害、麻痺などが出ます。
・経口避妊薬を内服する若い女性に発症する場合があります。治療の基本は抗凝固薬の点滴ですが、意識障害が進行する患者さんに対してはカテーテル治療として血栓吸引術なども行います。

脳卒中とめまい

 耳が原因のめまいでは、同時に耳鳴り、難聴、耳閉感が現れ、また、めまいと並行して軽快しますが、脳が原因のめまいでは、耳が原因での症状は現れません。
脳の障害による特徴的症状は、今までに経験したことのないめまいで、物が二重に見え、顔や手足がしびれ、力が入らない、手が震えるなどが現れます。

脳卒中(脳梗塞、脳出血)によるめまい

平衡感覚の経路のどこかが障害されると、めまいが起こり、通常2~3時間、短くても20~30分間続きます。脳幹の前庭神経核という平衡感覚が集まる部分が障害されると、強い回転性のめまいが起こり、大脳皮質の障害では揺れるような比較的軽度のめまいですみます。

椎骨脳底動脈循環不全によるめまい

大動脈から分岐して脳幹や小脳へ血流を送る椎骨動脈と脳底動脈の血流が悪くなるとめまいが起きます。この場合のめまいは20~30秒で収まることが多いです。椎骨動脈は頸椎の中を通っているので、急に後ろを振り向いたり、天井を見上げたり、床を見たりすると血液循環が妨げられてめまいを起こすことがあります。
治療には、起床時に勢いよく屈曲しないように気をつけ、動脈硬化の危険因子のある人はそのコントロールを行い、喫煙者は禁煙です。

かなり怖い心房細動とは(CHADS2スコアとは)

心房細動

心房細動は心臓が一定のリズムを打たずに震えるような状態の不整脈を云います。心房細胞は心臓の中に血液の固まり(血栓)が出来やすくなり、その血栓がはがれると、脳の血管を詰まらせて脳卒中を起こす危険があります。

CHADS2スコア

心房細胞の患者さんの中でも、脳梗塞または一過性脳虚血発作の既往があるか、うっ血性心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病のいずれかの危険因子を2つ以上合併した方は、脳梗塞が起こる(再発する)リスクが高いので、ワルファリンを使って血液をさらさらにし、血栓を作らないよう予防するための評価に使われるのが、CHADS2スコアです。

危険因子点数

C

Congestive heart failure(うっ血性心不全)

1

H

Hypertension(高血圧)

1

A

Age(年齢75歳以上)

1

D

Diabetes Mellitus(糖尿病)

1

S2

Stroke/TIA(脳梗塞/一過性脳虚血発作)

2

CHADS2スコアによる脳卒中リスクの評価

CHADS2スコア

脳卒中リスク

脳卒中発症

0

1.0%/年

1

低~中

1.5%/年

2

2.5%/年

3

5.0%/年

≧4

非常に高

>7.0%/年

CHADS2スコアが2点以上の心房細動の患者さんにはワルファリンなどの使用が強く勧められます。また、1点以上の患者さんでもワルファリンなどの使用は推奨されています。
ワルファリンは一般的にPT-INR 2.0~3.0の量で調整されますが、70歳以上の高齢者にはPT-INR 1.6~2.6の量に留めるよう推奨されています。

内頸動脈狭窄症とは

頸動脈(左右2本)は、あごの下の高さで大脳に血流を送る内頸動脈と頭皮などに送る外頚動脈に分かれます。前者が動脈硬化によって細くなると内頸動脈狭窄症が発症します。内頸動脈狭窄症で血栓が剥がれて脳に飛び、脳梗塞や一過性脳虚血発作(1日以内で症状がなくなる)を引き起こします。
また内頸動脈がある程度細くなると大脳への流血が不足し、このために症状が出ることもあります。
主な症状は左右どちらかの半身の運動障害や知覚障害、言語障害、顔面下半分の麻痺が現れます

一過性黒内障とは

一過性黒内障は一時的に目が見えなくなりますが、長くても20分くらいで普段通りの見え方に戻ります。一過性虚血発作のひとつで、血栓が詰まったり、血圧の変化などで、眼に血行が行かなくなるのが原因で、片目が突然、黒いカーテンがおりてくるように見えたり、写真のネガフィルムのような見え方をしたり、霧がかかったように見えた結果、目が見えなくなります。

頸動脈内膜剥離術(CEA)

頸動脈に70%以上の狭窄がある場合、抗血小板療法に加えてCEAという頸動脈内膜を剥離する手術を行うことがあります。但し、一度脳卒中に罹った方は50%以上の狭窄で手術を行うこともあり、50~69%の場合は、年齢、性、症状などを勘案して検討します。
血管がどれくらい狭まっているかを頸動脈エコーや造影検査で調べ、全身麻酔の下、頸部を切開し、頸動脈を露出させて手術を行います。

頸動脈ステント留置術(CAS)

頸動脈に狭窄があるが心臓疾患合併・高齢など、CEA手術では危険性が高い患者さんには、ステントを血管内に置くと云う手術を行うこともあります。ステントとは細いコイルのような器具を動脈内に挿入し、動脈を広げて血流を確保するものです。
メスで切って行うような手術ではなく、足の付け根の太い動脈から細いカテーテルを通して、頸動脈まで挿入し、狭窄部分でステントを広げ、留置する方法で、全身麻酔の必要も無い手術です。

バイパス術

内頸動脈および中大脳動脈閉塞、狭窄症の患者さんには、バイパス術を行う場合があります。バイパス術は全身麻酔下で、閉塞または狭窄している部分の根元の血管や他の血管と閉塞より先の血管とを繋いで、問題の個所を通らずに血液が流れるようにする方法です。

予防

再生医療(脳卒中・脊髄損傷の後遺症改善)福永記念診療所