リハビリ

脳卒中の後遺症!リハビリで回復できる?!再生医療の可能性は?

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 脳卒中の症状の軽い重たいに関わらず、脳が何かしらのダメージを受けた以上は、その部分の脳の機能は二度と戻らないとされています。でも、早くからリハビリをすれば、他の脳の部分が補ってくれるようになっています。具体的には、脳卒中を発症した直後を急性期、それから約半年間に渡る回復期に集中的にリハビリを行って、機能回復を目指します。軽い脳卒中の場合は、ほとんど完治して、目に見えた後遺症も残らないでしょう。
 再発予防の治療薬としては、血液を固まり難くする薬(ワーファリンやプレタール、プラビックスなど)を服用します。しかし、薬による治療はあくまでも再発予防に役立つ手段の一つです。薬だけで完全に再発予防出来る分けではありません。生活習慣を改善して、血液の流れなどを良くする必要があります。
 薬を飲んでいるから大丈夫だと、たばこや暴飲暴食を繰り返していると、本格的な脳卒中の本発作を起こしてしまい、麻痺や言語障害のような重い後遺症と一生付き合う羽目になってしまいますよ。

脳卒中の回復時期リハビリ

脳卒中の回復時期は3か月を過ぎても良くなるよ!

 脳卒中と云うと、長期入院のイメージですが、軽いものであれば、1ヶ月以内の退院も可能です。また予後によっては通院回数も少なくて済むこともあります。反対に重たい脳卒中では、年単位の入院生活を送り続けることも珍しくはありません。後遺症がほとんどない場合は、だいたい1~2週間程度で退院出来ます。手術をした場合は、10日ほど入院期間が延びます。
 平均入院期間を年代別にみた場合、20代、30代は約1ヶ月半程度ですが、60代以上になると約3~4ヶ月が平均となってしまいます。なお、高齢者の入院期間は長くて、再発する傾向が見られます。手足の麻痺のような運動機能障害や、上手くしゃべれなくなった言語障害などの場合は、退院後も継続してリハビリなどを利用して、機能回復・機能維持に努めましょう。
 手足のような体の機能障害や言語障害は、急性期から回復期にかけての約半年間が回復の見込める、特に大事な期間とされておりますが、実際はその期間を過ぎても滑らかに回復される方を多く見かけます。栄養状態を良く保ち、負荷が高目の筋肉トレーニングを週2~3回し、適切なリハビリを受けられている方では回復が良いので、この辺が実はリハビリの秘訣になります。

 ここからは未だ私の憶測になりますが、栄養状態を良く保ち、負荷が高目の筋肉トレーニングをすることが体の組織で脳細胞の元となる幹細胞の増殖を促し、それらの細胞が脳損傷部に遊走することになるので脳の再生に役立っているのではないかと推測しています。

脳卒中のリハビリに必要なエビデンス

 リハビリを出来る時間は有限です。その中で効率良く、機能回復を目指すにはエビデンス(科学的根拠)に基づいたリハビリを行う必要があります。『自身の経験則に基づく、治療に対する反応を確かめながら、臨機応変に修正を加える』といった姿勢も必要ではありますが、あくまでもエビデンスに基づいている必要があります。

基礎疾患に対して  リハビリで一番重要なことはリスク管理です。効果うんぬんの前に、患者さんの状態を悪化させてしまうことはすべきではありません。リハビリ云々の前に、どういうリスクがあるのかを把握し、リスク管理に絶えず意識を向けておくことが重要です。
 例えば、内科的疾患(心疾患・糖尿病疾患)がベースにある場合は、客観的データに即した治療が行われ、同時に行われるリハビリも客観的データを基に実施されます。エビデンスが多く蓄積されており、一般的にはアンダーソン・土肥の基準の変法が使用され疾患特有のリスク管理が追加されます。
 また、内科的疾患には必ずしも患者さん本人の主観が伴わないことが多いので、短期的な効果(1回のリハビリだけで)が把握し難いため、「患者さんの現状に即した適切なリハビリ」をエビデンスに頼ることが非常に重要になってきます。

(アンダーソン・土肥の基準の変法)
Ⅰ.運動を行わないほうがよい場合
1)安静時脈拍数 120/分以上
2)拡張期血圧 120以上
3)収縮期血圧 200以上
4)労作性狭心症を現在有するもの
5)新鮮心筋梗塞1ヶ月以内のもの
6)うっ血性心不全の所見の明らかなもの
7)心房細動以外の著しい不整脈
8)運動前すでに動悸、息切れのあるもの

Ⅱ.途中で運動を中止する場合
1)運動中、中等度の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛などが出現した場合
2)運動中、脈拍が140/分を越えた場合
3)運動中、1分間10個以上の期外収縮が出現するか、または頻脈性不整脈(心房細動、上室性または心室性頻脈など)あるいは徐脈が出現した場合
4)運動中、収縮期血圧40mmHg以上または拡張期血圧20mmHg以上上昇した場合

Ⅲ.次の場合は運動を一時中止し、回復を待って再開する
1)脈拍数が運動時の30%を超えた場合.ただし,2分間の安静で10%以下に戻らぬ場合は、以後の運動は中止するかまたは極めて軽労作のものにきりかえる
2)脈拍数が120/分を越えた場合
3)1分間に10回以下の期外収縮が出現した場合
4)軽い動悸、息切れを訴えた場合

術後合併症等に関して
 脳外科、消化器外科、整形外科など術後の回復過程は全ての患者さんに共通していることが多く、これらの回復を手助けたり、注意すべきエビデンスが多く蓄積されてきています。また、専門病院では、術後パスやスケジュールを設けているところも多いです。

将来的なエビデンスの必要性
 「慢性的な痛み」などは複雑な要素が絡み合って、エビデンスのような型にはまった理学療法が功を奏しないことが多くあります。慢性疼痛などは多様性があって、極端に云うと患者さんの数だけ選択肢が異なってくるとも云えます。従って、仮にエビデンスとして蓄積したとしても、物凄く細分化されたフローチャートのせいで、おそらく活用出来なくなってしまうでしょう。
 しかしながら、リハビリ職種の方の将来を考えた場合、エビデンスの蓄積は必須のものとなってきます。理学療法・作業療法にどんな効果があるか、どのくらいの割合で良くなるか、この症状にこの方法は効くのか、など実際の治療を行う前の予測を立てる時、エビデンスは必要な判断材料となるでしょう。

【エビデンスのあるリハビリ治療例】

ボトックス(ボツリヌス)治療とは

 ボトックス治療とは、ボツリヌス菌が作り出した天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。これを注射すると、筋肉を緊張させている神経の働きを抑えるので、筋肉を和らげることが出来ます。
 菌そのものを注射するのではないので、ボツリヌス菌に感染することはありません。

ボトックス治療の効果
・手足の筋肉が柔らかくなり、動かし易くなる。
・関節が固まり、動き難くなるのを予防する。
・関節の変形を予防する。
・リハビリが行い易くなる。
・痛みを和らげる効果が期待できる。
・介護の負担が軽くなる。
 ボトックス治療を行った後、リハビリを組み合わせて継続することで効果が期待できます。

ボトックス治療の期間
 目標とする筋肉の数か所に細い針で筋肉注射を、1回15~30分くらいかけて行います。その効果は、注射後2~3日目にゆっくり現れ、2週間程度かかる人もいます。通常3~4ヶ月続き、その後数週間で徐々に効果は消えて行きます。
 治療を続ける場合は、年に数回注射を受けることになりますが、効果の持続期間は個人差があるので、医師と相談しながら、治療計画を立てて行きましょう。

ボトックス治療の副作用
・注射部位がはれる。
・赤くなる。
・痛みを感じる。
・体がだるくなる。   など。
 副作用の症状は多くが一時的なものですが、現れた場合は医師に相談しましょう。

低周波治療(電気刺激療法)とは

 神経障害によって運動麻痺が起こると、日常生活に大きな影響を及ぼしてしまいます。運動麻痺のせいで、必要な可動範囲を自分で動かせないでいると、それ以上の改善は難しくなります。必要な可動域の練習を行わないと、関節が固まってしまって(関節拘縮)、日常生活に支障をきたし、痛みの原因にもなってしまいます。
 そこで、自分で手足を動かすのに必要な筋力が少なくても、低周波によって筋肉の収縮を補助することで、手足を動かせる範囲を拡大することが可能になります。そして、脳に自分の手足の動かし方を再学習させて、運動麻痺を改善しましょう。

・低周波治療の効果

  • 自分で手足を動かせる範囲が増えます。
  • 脳が手足の動かし方を再学習します。
  • 手足の筋肉が柔らかくなって、動かし易くなります。
  • 関節が固まって動き難くなるのを予防します。
  • 関節の変形を予防します。
  • リハビリがやり易くなります
  • 痛みを和らげる効果が期待できます。
    低周波治療と専門的なリハビリの組み合わせを継続して行うことで、更なる効果が期待出来ます。

・低周波治療の方法
 麻痺している筋肉に、全可動域を自分で動かせる程度の電流を流して、専門的なリハビリと組み合わせて行います。患者さんの疾患や状態、施行する個所によって異なりますが、施行時間は5分~30分くらいです。

・低周波治療スケジュールは?
 低周波治療の効果は、施行直後に見られる場合もありますが、一般的に2~3日目からゆっくり現れます。自分で手足を動かせる範囲が広がれば、その効果は消えることなく長期的に持続しますが、反対に、動かさないと、その範囲は狭まり効果は徐々に消えて行きます。
 ただし、効果には個人差があるので、医師と症状を相談しながら治療計画を立てて行きましょう。

・低周波治療の安全性は?
 低周波治療は家庭用でも肩こりや腰痛などで広く利用された、一般的な治療法です。低周波設定は、筋出力の程度で20~50Hz,パルス幅50~250μsecで電流を流し、専門的リハビリと併用します。尚、深部の筋肉に対してや皮膚の痛みが出現する場合には、適宜設定を変更したり、中周波による干渉波を利用することもあります。

・低周波治療の副作用は?
 低周波治療を受けた後に副作用として、次のような症状が現れることがあります。これらの症状は多くが一時的なもので自然に改善することが多いのですが、症状が現れた場合は医師に相談しましょう。

  • パッドを貼った処がはれる
  • パッドを貼った処が赤くなる
  • 痛みやしびれを感じる
  • 筋の緊張を強く感じる

・低周波治療の適応外の条件は?

  • 心臓ペースメーカー埋め込みの患者、または重篤な心疾患のある患者
  • 体内金属
  • 筋収縮が禁じられる病態(静脈血栓、術後など)
  • 傷や皮膚状態が悪い個所
  • 悪性腫瘍

・低周波治療の費用は?
 低周波治療は医療保険によるリハビリ内で行うので、低周波使用での特別加算はありません。一般的リハビリでは、医療保険で算定できる期限を90日~180日に設定していますが、リハビリで更なる改善が期待できる場合は、この期限に限られません。

反復運動療法とは

 かつては、脳卒中の後遺症で起こる片麻痺は、治療しても治らないものだと考えられてきました。一度破壊されてしまった神経細胞は二度と再生しないのだから、従来のリハビリは非麻痺側を日常生活で使えるようにする訓練に重点が置かれてきました。しかし、脳科学の進歩により、「麻痺した手足を繰り返し動かす訓練をすれば、脳の可塑性(※)が発現して麻痺が改善できる」ことが明らかになりました。
※可塑性:損傷を免れた部位が、破壊された部位の役割を代行する能力
 この発見により、新しい片麻痺治療の開発や研究が盛んに行われ、適切な運動を反復して行う運動療法である「Arm Basis Training」、「促通反復療法(川平法)」が着目されています。

Arm Basis Training
 姿勢制御を求められない姿勢(臥位等)で、各関節、各運動方向に最大可動域に渡って、自動運動を反復しましょう。この時、必要に応じてセラピストが運動方向の修正などの援助を行ってください。自動運動がある程度出るようになったら、姿勢制御を伴う運動や、複数の関節間の協調運動へと発展させましょう。
 ガイドラインでもArm Basis Trainingは推奨グレードAに位置づけられています。

促通反復療法(川平法)
 麻痺した手足を操作(促通)して随意運動を繰り返させることによって、必要な神経回路を再建・強化させる治療法で、鹿児島大学名誉教授の医師川平和美氏が考案されて、「川平法」と名付けられました。
 治療者による徒手的操作と、患者さんの動かそうとする努力による随意運動を、1セット100回程度反復させるのが特徴です。
 それにいくつかの促通手技を併用して、より効果的に神経回路の強化を行います。

・リハビリでのポイント
① 健側のトレーニングも欠かさないこと。体幹や健側が弱ると、安定した姿勢バランスが取れず、遠位筋の随意性を発揮出来なくなるので、健側のトレーニングも並行して行いましょう。
② 治療の順番は中枢から末端へ
原則的には中枢から末端に向かって進めて行きましょう。上肢なら、肩→肘→腕→手首→指の順です。患者さんによっては脳の活性や集中力を考えて、逆から行うこともあります。下肢の場合は、股関節→足関節→足指の順で、逆転することはほとんどありません。

装具療法とは

 装具には治療用と機能代償用と云う2つの利用目的があります。治療用装具は、病気やケガをした部分が治るまで保護したり、歩行獲得を目指すための運動学習を促すことを目的とします。機能代償用装具は、障害によって失った機能を代償することを目的とします。装具を利用することによって、支持性が低下した状態でも荷重することが出来、その荷重情報が背側脊髄小脳路を介して前庭核に伝えられ、姿勢筋緊張の促通を図ることが可能になります。

・アームスリング/アームサポーター
 片麻痺者のうち、約70%で肩の痛みが出現します。疼痛の原因は多様ですが、麻痺による肩の亜脱臼は脳卒中後の肩の痛みの大きな原因になります。アームスリングは、肩の亜脱臼を予防する目的で使用します。しかし、アームスリングでも三角巾など上肢を使用出来ない状態で固定してしまうものは、三角巾で覆った姿勢で麻痺側上肢の関節が固まってしまうなど弊害が多くなります。アームスリングを使用する場合は、上肢の使用を制限しないものを選択するべきです。

・長下肢装具
 坐位が安定してこれば、重度の麻痺があっても長下肢装具を利用して立位や歩行訓練を行うことが出来ます。太ももより足底に及ぶもので、膝関節と足関節との動きを制御する目的で使用します。モーメントアームが長いので、短下肢装具より足関節・股関節の動きを引き出せ、麻痺側へ荷重をかけることも可能です。足関節の動きに対する股関節・体幹の動きを学習させることが出来ます。
 長下肢装具を利用することで、立脚が可能となり、体全体の感覚統合を図ることが可能となる反面、膝関節の固定のせいで、立ち上がり動作が難しくなり、動く時の各関節の感覚統合は困難となります。

・短下肢装具
 立位・歩行時に膝折れが生じなくなれば、下腿部より足部までの装具で足関節の動きを制御する目的で使用します。各部位の各種調整によって、立ったり、歩行したりの難易度調整が可能になります。

経頭蓋的磁気刺激療法(TMS)とは

 磁気によって大脳を刺激し、大脳の神経活動性を変化させる方法です。脳卒中後遺症に対してTMSを治療目的で用いる場合は、「まだまだ余力のある健常な脳組織の神経活動性を促進して、大脳のもつ神経症状を補う力を最大限に発揮させること」を目指しています。患者さんは安静に座って頂くだけで、痛みなどの苦痛はなく、刺激装置も頭の皮膚の上から当てるだけなので、体に傷がつくこともありません。

TMS治療の適応基準
・上肢麻痺:手首を曲げずに、指でグー、パーが出来ること(少なくとも、親指、人差し指、中指の曲げ伸ばしができる)。
※手を握ることが出来ない場合は適応外で、TMS治療は出来ません。
ボトックス(ボツリヌス)治療後に、これらの動作が可能になった場合は、“適応あり”と判定することがあります。
・失語症:
※全く話せない場合や簡単な文も理解できない場合は、適応外になります。
・16歳以上。
・脳卒中発症後、原則的に1年以上経過していること。
・頭蓋内に金属(クリップ、コイル、ステント)が入っていないこと。
・心臓ペースメーカーが入っていないこと。
・認知機能が正常で、うつ病でないこと。
・全身状態が良好(栄養障害、体力低下、重度の心・肝疾患がない。透析をしていない)であり、日常生活に介助を必要としていないこと。
・最近1年間、痙攣発作がないこと。
※これらの基準を満たしていても、担当医師の判断で、TMS治療が受けられないことがあります。

ロボットスーツHALとは

 ロボットスーツHALは、脳・神経筋系の疾患のせいで運動機能が不安定な患者さんのために、機能改善治療器として開発されました。ロボットスーツHALは、患者さんが筋肉を動かそうとした時に生じる電気信号をセンサーが読み取って、内蔵されたコンピュータで関節部のモーターを動かし歩行をアシストします。この歩行訓練を繰り返すことで、脳・神経系への運動学習を促す効果が期待されます。

・HALのしくみ
1-患者さんが、「歩きたい」と考える。
2-信号を受け取って、筋肉が動く。
3-信号をHALが読み取る
4-思う通りにHALが動く。
5-脳が動きを学習する。

・保険適用となる8疾患
脊髄性筋委縮症、球脊髄性筋委縮症、筋委縮性側索硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、遠位型ミオパチー、封入体筋炎、先天性ミオパチー、筋ジストロフィー

ニューロテック・再生医療で回復

 「ニューロテック®」とは、細胞治療+最先端リハビリ治療を積極的に進めていくためにNeuron(神経)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせて命名致しました。脳卒中、認知症、脊髄損傷などの神経障害の回復には、リハビリも重要ですが人間の本来持っている幹細胞による神経の再生が必要不可欠です。幹細胞は、傷ついた細胞からSDF-1というSOSシグナルが出るため、それを検知して損傷細胞に幹細胞が補修に向かうため傷を治したり、神経や血管細胞になることで神経回路を再生します。しかし残念なことに、体にある約10兆個の細胞の内、新生児の時に1万分の1あった細胞は年齢とともに減少を続け、80歳になると400万分の1になります。今後のリハビリ医療としては、体外でこの幹細胞を培養し体に戻すことで新生児と同様の状態を作り、適切なリハビリを繰り返すことが重要になってくると言えます。

幹細胞

 幹細胞は、自己複製能と様々な細胞に分化する能力(多分化能)を持つ特殊な細胞です。この2つの能力によって、発生や組織の再生などを担う細胞と考えられています。
 幹細胞には、その由来や能力から主に以下の3つに分類されます。

・胚性幹細胞(ES細胞)
 胚性幹細胞(ES細胞)は、受精卵後、分離、株化された幹細胞で、ほぼ全ての組織(細胞)への分化能を有する万能細胞と考えられています。人の受精卵から採取されるため、道徳的観念からも実用化は未だ遠いと思います。

・iPS細胞
 皮膚などに既に分化した体細胞に対して、数種類の遺伝子を導入することで分化万能性と、自己複製能を持たせた細胞で、京都大学の山中教授によって初めて作られ、ノーベル生理学・医学賞を受賞したことで、広く知られました。しかし、癌化のリスクが未だ未だ高く、実用化にはES細胞と同様に遠いと思います。

・成体幹細胞
 成体幹細胞は、身体の組織に存在し、ある程度の多分化能を持ち、発生過程や細胞死、損傷組織の再生に、新しい細胞を供給する役割を持っていると考えられています。ES細胞やIPS細胞に比べると、多分化能は限定されますが、自己の幹細胞を治療に使えることから、今後最も実用化に近い細胞です。

 

 はくほう会セントラル病院では『脳梗塞に対する自家骨髄由来間葉系幹細胞を用いた臨床研究(計画番号PB5160017)』を実施するなど、既に一般病院レベルでも再生医療が実施出来る様になってきています。

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