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脳卒中は予防できる?知らなきゃ怖い脳卒中の前兆から対策まで!

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脳卒中は予防できる

脳卒中の前兆は?

◎一過性脳虚血発作が始まりかも!

 一過性脳虚血発作は、突然、脳卒中の症状が起きて、普通5~15分間以内に、長くても24時間以内に治ってしまう発作です。

※対処法:症状が現れた時点では、一過性脳虚血発作と本物の脳梗塞の区別は
出来ませんので、すぐに救急車を呼んで専門医を受診しましょう。

―――脳梗塞や脳出血の症状はこれ―――

  • 片方の手足に力がはいらなくなる。
  • 体半分(顔を含む)がしびれる。
  • ろれつがまわらなくなる。
  • 言葉が出なくなる。
  • 相手の云う事がよく理解できない。
  • 片側にあるものに気がつかなくてぶつかってしまう。
  • 片方の目にカーテンがかかったように見えなくなる。
  • 物が二重にみえる。
  • 片側の視野が欠ける。
  • めまいがする。
  • ふらつく。
  • 力はあるのに立てない、歩けない。

などがあります。

※このような症状に気付いた時は、様子を見ようなどと考えず、ただちに専門医を受診しましょう!

昔の人は良いことを云いました、「転ばぬ先の杖」と。

―――くも膜下出血の症状はこれ―――

  • 今まで未経験の激しい頭痛が突然襲い、意識がなくなりますが、通常、手足の麻痺は起こりません。

 ◎一過性脳虚血発作は、病変が小さかったり、血管閉塞の症状が短時間でなくなるので軽く考えがちですが、原因となる血管の病変はそのまま残っていることがほとんどなので、本物のもっと酷い発作や治り難い障害を再発する危険性がかなり高いと考えてください。放っておけば、約2割の方が数年以内に脳梗塞になる可能性があります。治療で脳梗塞になるのを予防することは可能ですので、必ず専門医を受診しましょう。

脳卒中はなぜ起こるの?

 脳卒中が、全く健康な人に起こることはまれで(皆無とは云えませんが)、たいてい何らかの病気を持っている人に起こります。
 例え、一時的に血圧が上がっても脳の動脈は簡単に破れるものではないのですが、高血圧が長く続くと、動脈が少しずつ痛んできて、遂に破れたり、詰まったりしてしまいます。

脳内出血はなぜ起こるの?

 脳内出血は高血圧7割、高血圧以外3割(アミロイド血管症、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、海綿状血管腫、静脈性血管腫、脳腫瘍、抗血栓療法に伴うもの、慢性腎不全に伴うもの)くらいの割合で、高血圧が多くの原因となっています。
 高血圧の程度が激しかったり、「アミロイド」という加齢に伴う老廃物がたまったり、奇形や腫瘍などにより、もろくなってきた動脈壁が破れて脳内出血が起き、その出血が正常な組織を破壊・圧迫して、症状を起こします。

くも膜下出血はなぜ起こるの?

 くも膜下出血の主な原因は脳動脈瘤の破裂によります。脳動脈瘤がどうしてできるかは、まだよく判っていませんが、遺伝的な要素や高血圧、喫煙、飲酒の影響が考えられています。出血すると、くも膜下に強い刺激が加わって、激しい頭痛の原因になり、大量に出血すれば脳が広範囲に障害されて、しばしば命の危険にさらされます。

脳梗塞はなぜ起こるの?

① ラクナ梗塞

 高血圧に晒された動脈壁の傷は自然に修復されますが、壁は少しずつ厚くなっていきます。このようなことが続くと動脈は狭くなって、遂には血管が詰まってしまいます。血液の流れが止まると、その先にある脳組織は壊死してしまいます。この高血圧の悪影響はまず、細い穿通枝動脈に現れてラクナ梗塞を起こすのです。

② アテローム血栓性梗塞

 高血圧や糖尿病、高脂血症、ストレス、喫煙などが原因で頚動脈や脳の比較的太い動脈に動脈硬化(アテローム硬化)が起こります。このアテローム硬化が原因になって起こる脳梗塞には、それぞれ、塞栓性、血栓性、血行力学性によるものがあります。糖尿病や高コレステロール血症では、より大きな動脈に動脈硬化を起こし易い傾向にあり、そのせいでアテローム血栓性梗塞が生じます。

③ 心原性脳塞栓症

 心原性脳梗塞とは、心房細動などの不整脈、弁膜症などを原因として心臓の中で出来た血栓が、脳の血管(動脈)まで流れると引っかかって脳動脈をふさぐことで梗塞を起こします。心臓に出来た血栓は結構大きいことが多く、脳の太い動脈に詰まってしまうため影響を受ける脳細胞の範囲が広くなってしまうため、心原性脳塞栓症として独立して扱われるようになりました。

あなたも脳卒中予備軍かも?

 今までの説明でお分かりのように、脳卒中には予備軍と云えるような人たちがたくさんいます。この予備軍の中から、本物の脳卒中が現れてくるのです。以下に挙げるものは、皆脳卒中を引き起こす可能性を持っている生活習慣や病気(生活習慣病)で、「危険(リスク)因子」と呼ばれるものです。

① 高血圧

 脳卒中にとっては最大の危険因子となっています。血圧値と脳梗塞の発症率との関係を調べた研究によると、男女とも血圧値が高くなるほど、発症率が急激に高まっています。血圧値と脳出血の発症率との関係になると、さらに極端になります。

② 糖尿病

 糖尿病の人は健康な人よりも脳梗塞の発症率が高いことも分かっています。糖尿病は動脈硬化の原因の一つであり、また血液がドロッとして流れ難いのもネックになっています。

③ 高脂血症

 コレステロールでも特に悪玉と云われる「LDLコレステロール」の高い人、善玉の「HDLコレステロール」の低い人は、全身の動脈硬化を起こし易くて、脳梗塞(特にアテローム血栓性梗塞)のリスクが高まります。

④ 心疾患(不整脈など)

 心疾患でも特に不整脈の一種の心房細動の人は、心臓内で血が固まり易く、心原性脳塞栓症の原因になります。心房細動はあまり自覚症状がないので、放置されることが少なくありませんが、65歳以上の高齢者の5~10%に心房細動が見られるので、注意が必要です。

⑤ 脱水

 夏は脳梗塞が増加します。温度が上がるため、体内の熱を発散しようとして血管が拡張すると血圧が低下します。そして、汗を書くことで水分が不足して血液が濃くなり、脳血管が詰まりやすくなります。夏の脳梗塞は体内の脱水状態が引き金になることが多いのです。しかし、実際は夏だけでなく、臨床上ほとんどの脳梗塞は脱水が原因であると感じられるほどで、脳梗塞を疑われる患者に脱水改善のための点滴をすると、直ぐに改善されます。

⑥ 生活習慣、その他

 病気ではないにしても、肥満や運動不足、喫煙、多量の飲酒(1日1合以上)、過労・ストレスの蓄積などの生活習慣上の問題は、高血圧や糖尿病、高脂血症などを引き起こし、また、脱水や不整脈などを誘発します。

 

これ以外にも、遺伝的な体質や加齢なども脳卒中のリスクになると云われています。

脳卒中を防ぐには

 まず危険因子を出来る限り減らすことが大切です。高血圧などの明らかな危険因子を持つ人は、専門医療機関を受診し、治療に努めましょう。食生活をはじめとして生活習慣の改善にも励みましょう。

① 高血圧

 一番効果的な脳卒中の予防法は高血圧を治療することです。塩分の摂取を控えて、適度な運動を続けましょう。薬物療法の進歩で、ほとんどの高血圧は確実に治療できるようになりました。収縮期血圧を10~20㎜Hg下げると脳卒中発症が50%も減ることが分かっています。

② 糖尿病

 糖尿病は、まず食事・運動療法でコントロールします。より重症の場合は、薬物治療を行います。血糖コントロールの目安のHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)値を1%低下させると、脳卒中(主に脳梗塞)の発症率は12%低下すると云われます。HbA1cは赤血球中のヘモグロビンに糖がくっついたものなので、過去1~3か月間の血糖値がよく分かります。5.8%以下が正常で、6.5%以上だとほぼ糖尿病と云われます。

③ 高脂血症

 高脂血症の治療は心筋梗塞の予防には有効で、脳卒中への効果はかつて、不明でした。しかし、現在では高脂血症に関しては沢山の臨床試験が国内外で施行されており、コレステロール低下薬の一種のスタチン系の薬が、心筋梗塞及び脳卒中の予防や再発防止にともに有効であるとされ、ガイドラインでも最高のGrade Aと強く推奨されています。

④ 心房細動

 心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病、脳梗塞や一過性脳虚血発作の既往など(CHADS2スコア1点以上)があれば抗凝固薬が推奨されます。抗凝固薬にはワルファリンの他にDOAC(direct oralanticoagulant)と呼ばれる新薬であるダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン等があります。これらの抗凝固薬は、それまでのワーファリンが納豆や青汁といったビタミンKを大量に含む食物を一緒に食べられないことや、定期的に血液検査が必要といった煩わしさをなくすと、期待されて出てきた薬剤ですが、高額であるという点や緊急手術が必要になった際に直ぐに薬の効果を打ち消せる拮抗薬が存在しないといったマイナス面もあります。脳卒中の既往のある人や高血圧、心不全などを合併している人は脳卒中の発生率が特に高いので、抗凝固薬の服用を勧められます。その予防効果は70%減少と極めて強力ですが、反面、出血性合併症を引き起こし易い難点もありますので、専門医との相談が重要です。

⑤ 食生活

・塩分

 食塩の過剰摂取は血圧上昇の要因になるので、理想は1日5~7gとされていますが、多くても1日10gを超えないようにしましょう。

・糖質(炭水化物)

 過剰な糖質(炭水化物)は中性脂肪となって体内に蓄えられ、肥満の原因となります。高血圧、糖尿病、高脂血症の治療のためにも、肥満解消が重要課題です。
あなたが目指す理想の体重(kg)は、身長(m)×身長(m)×22(70歳以上は21)で計算できます。例えば、身長1m70㎝なら、1.7×1.7×22≒63.6(kg)となります。

・脂肪

 コレステロールに気をつけた食事も大切です。脂肪量全体の取り過ぎに注意して、特に肉やバターなどの動物性脂肪の摂取を減らしましょう。代わりに、魚類(イワシ、サンマなど、動脈硬化を抑制する効果があるエイコサペンタイン酸を多く含む)、植物性サラダ油、種子類(ゴマなど)食物繊維(葉野菜、きのこ類、海藻類、豆類、イモ類など)は、悪玉LDLコレステロールを減らし、善玉HDLコレステロールを増やします。野菜やイモ類は、降圧作用、脂質代謝改善作用のあるカリウムを多く含みます。

 

◎減塩に心掛けて、多くの食品をバランスよく食べることが、脳卒中はもちろん、他の循環器系疾患、がんなどの予防にもつながります。

⑥ 生活習慣

・運動不足は、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などの原因や悪化の要因になります。ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳などの有酸素運動を継続して行うように心掛けましょう。
・喫煙、飲み過ぎ、過労・ストレス、睡眠不足なども避けましょう。
・高齢者は脱水になり易く、血流の流れを悪くする要因になるので、夏場の多汗、おう吐・下痢、発熱時には水分補給に十分注意しましょう。

・温かい処から冷たい処への急激な温度変化は、心臓の負担になり、血圧の急上昇を引き起こして、脳卒中(特に頭蓋内出血)発症の引き金になるので、着衣などに十分配慮しましょう。

⑦ 脳ドッグ

 無症候性病変といって、発作に至っていない小さな梗塞や出血、まだ破れていない脳動脈瘤、症状の出ていない脳血管病変などを調べる「脳ドッグ」というシステムがあります。医療保険はききませんが、危険因子をいくつか持っていて不安な方は、自費検査を受けることも出来ます。病変が見つかったからと云って、必ずしもすぐに手術を受ける必要はないので、具体的なことは、専門医と十分に相談しましょう。

毎日続けて、血管を元気に!

時間がなくても「ながら運動」

※厚労省「健康づくりのための身体活動基準より

 「運動をするのがいいとは分かっていても・・・」という方に、毎日の生活の中で簡単にできる「ながら運動」を取り入れてみましょう。1日30分、これらの活動をすると、1日に必要な運動量の半分になるので、以下の項目を1日2つ行うことで、必要量をクリアできます。これなら、楽しみながら無理なく毎日続けられそうですね。

  • ウォーキング 30分
  • ガーデニング 30分
  • 台所で調理、皿洗い 30分
  • 階段を上がる 20分
  • 自転車に乗る  30分
  • 掃除機をかける 30分

毎日血圧を測ろう

・10年後もずっと健康でいたいなら、定期的に血圧を記録しておきましょう。
・血圧が高いまま放っておくと、血管が痛みますが、血管の状態は目に見えないので痛んできても自分では判りません。
・脳卒中や心臓病は、「ある日突然」訪れるものではありませんから、毎日血圧を測って、「きちんと予防」を始めましょう。
※測定は1日2回 出来るだけ毎日同じ状態で測りましょう。
朝―「起床後1時間以内、排尿後、朝食前、服薬前」
夜―「就寝前」
       入浴や飲酒直後は避けましょう。

毎日体重を計ろう

・1日2回体重計に乗って記録しておきましょう。
朝―「起床直後トイレを済ませた後」
夜―「寝る前」
・グラフを目に付くところに貼れば、やる気がアップ!
・お腹が空いたら運動をしましょう。交感神経が活発になって、空腹が収まります。

まとめ―――脳卒中予防の秘けつ―――

危険因子を発見する

 定期健康診断を受けて、あなたが持っている危険因子の早期発見に努めましょう。
・4「脳卒中予備軍」の項目をチェックしましょう。

危険因子を減らし、治療する

危険因子を出来るだけ減らして、なくすように努めましょう。
・5「脳卒中を防ぐには」の項目をチェックしましょう。

発作に反応して、早く受診する

 脳卒中を疑う症状が出たら、軽くても、または一時的なもので回復したとしても、急いで専門医の診断を受けましょう。

・「脳卒中の前兆」の項目をチェックしましょう。

 

以上の3つを実行すれば、脳卒中の危険性はかなり遠のき、たとえ脳卒中で倒れても、後遺症を軽減することが出来ます。

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