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脳梗塞にロボット治療?最新ロボット3つをご紹介!

脳梗塞のロボット治療の種類

ロボットによる介護や看護……、そんなSF作品のような光景が現実のものになりつつあります。その最前線の研究課題として注目されているのが「ニューロテック」と呼ばれる技術です。ニューロテックは神経を意味するNeuronと技術を意味するTechnologyをかけ合わせた言葉で、神経障害を最新のテクノロジーで治療しようという試みのことを指します。今回取り上げているロボット治療以外に、電気刺激を用いた治療や日進月歩で研究が進んでいる再生医療等も、ニューロテックに分類されています。リハビリは従来、療法士の腕と患者の根性によって運用されていた面が否定できません。辛い、辞めたい、面白くない…、そんな理由でリハビリが中断したり、遅れたりすることは日常茶飯事だったと思います。ロボットを介することのメリットの一つが、患者と療法士、ともに負担が軽減すること。療法士は肉体的な負担が減ることにより、より患者の細かい動きに注意を払うことができるようになりますし、患者も、無駄な力が抜け、効率よく必要な筋肉や神経を働かせることができます。テクノロジーによる治療というと、画一的で融通が聞かないというイメージを持たれる方も少なくないようですが、実際にはどのロボットも患者個人個人に合わせた細かい設定ができるようになっており、データも収集・活用できるシステムを搭載しています。そのため、人力に頼りきりでは得られない、より効率的なリハビリが期待できるのです。リハビリに使われるロボットの種類についてお話します。

脳梗塞の治療・リハビリに使われるロボット

ここでは、Honda、TOYOTA、Teijinの3社からそれぞれ発売されているロボットを取り上げます。いずれのロボットも、医療機関やリハビリテーション関連施設での仕様を想定されているもので、個人向けの販売はされていない点はご留意ください。個人で試してみたいという場合は、導入施設に問い合わせる、または年に数回開催されている福祉機器展への出展での試乗いった方法があります。

脳梗塞とhondaロボット

ご紹介するロボットの一つ目は、二足歩行ロボットASIMOで有名なHondaのロボットです。2019年1月にFDA認証を取得したことでもニュースになったのが、HONDAの開発した歩行リハビリテーション向け外骨格パワードスーツ、商品名Honda歩行アシストです。脳梗塞をはじめとする様々な原因によって歩行困難となってしまった人の歩行をサポートする歩行訓練機器で、腰と大腿部に装着することで、蹴り出しといった動きをモーターの力で助ける仕組みになっています。装着感は「アシスト自転車のよう」とも例えられ、無理矢理に体を動かすのではなく、あくまでも動きをサポートするロボットです。装着者に合わせて動く「追従モード」、装着者の歩行を理想的なバランスへ誘導する「対称モード」、特定の動くを繰り返し訓練できる「ステップモード」が搭載されています。支えがあれば自立でき、足を自分の力で前に振り出せる人が対象の機器です。歩行アシストという名前が示す通り、日常の歩行をサポートすることを主目的に開発されていますが、継続的な歩行訓練により、神経筋の回復も促進されることがわかっています。目に見える効果としては、反復により、歩行スピードの向上、歩行距離の延長、そして歩くときに大切な左右のバランスの改善などが見込まれます。

脳梗塞とtoyotaロボット

二つ目は、トヨタ自動車(TOYOTA)のロボットです。TOYOTAでは長年、自動車製造の産業用ロボットが使用されてきました。現在は今まで培ってきた技術を応用して「パートナーロボット」の開発に力を入れています。2017年、人間の生活を支えるロボットの一つとして下肢麻痺患者向けリハビリテーション支援ロボ、ウェルウォークWW-1000が開発されました。同機器は、翌年、第8回ロボット大賞にて厚生労働大臣賞を受賞しています。Honda歩行アシストが、支えがあれば自立でき、自力で足を前に出すことができる人を対象にしているのに対し、ウェルウォークWW-1000は「歩けない人を歩けるようにしたい」というコンセプトのもと、自力で歩くことのできない重度の障害を持つ人も対象にしています。藤田保健衛生大学との共同研究を始めたのが2007年、その後2014年に研究目的で23施設への導入が行われ、2017年には一般の医療機関向けのリースが始まりました。この分野では比較的新しいロボット治療装置です。運動学習理論に基づいた機能と、現場での使いやすさを両立したロボットシステムとして注目されています。トレッドミルの部分が低床でバリアフリーであること、装着動作や操作が簡単であることなど臨床現場の生の声が反映されたという外見は、大きなルームランナーのような形をしており、それに加えて両側に体を支えるための手すり、前方にはモニタ、上部からは体を支えるベルトがぶらさがっています。ロボット脚を装着した本人以外に、療法士などが一緒に入ることができます。また、患者の正面にあたる位置に設置されたモニタには、リアルタイムで歩行状態の映像が映し出されます。客観的に自らを見る事はより本人主体のリハビリへと繋がります。各個人に合わせた細かい難易度の設定や、動機づけとフィードバックは、「やる気」というリハビリテーションに欠かせないが、目には見えない、そんな大切な要素も支えているようです。

脳梗塞とReo-goロボット

三つ目は、Teijinが開発した上肢用ロボット型運動訓練装置TeoGo-Jです。先に挙げた二つのロボットと最も異なるのは、Reo-goが上肢、つまり腕のリハビリ用であるという点です。Reo-goの魅力は、レオ訓練と呼ばれる訓練動作の多さにあります。腕を前に出す前方リーチから始まり、ジグザグ軌跡や放射リーチ、さらには口元や頭へ手を持っていく訓練になる模擬リーチまで、設定されている動作は17種類用意されています。アシストの強さを調整する難易度と、アームの動き出しの重さ、さらにはアームの可動域を細かく設定できるため、患者ごとの状態に応じて最適なリハビリテーションを実現できます。なお、難易度は、全介助(患者の随意運動を要しないモード)から設定可能なので、麻痺の強い方でも訓練を受けられます。療法士による訓練に加えて、自主訓練として用いることで、運動機能の回復が見られるという臨床研究結果も発表されています。従来から行われている、ものをつまんだり、移動させたりといった自主訓練と効果的に組み合わせることにより、より効率の良いリハビリに繋がります。

脳梗塞とニューロテック(ロボット治療と再生医療)

自力で歩きたい、自分の手で食べたい、大切な人を思いっきり抱きしめたい。そんなささやかな願いのために、患者と療法士は文字通り血の滲むような努力を日々積み重ねています。リハビリは辛く厳しいもの、というイメージをお持ちの方も多いと思います。ですが、本来、リハビリの理想は「最小限の労力で、最大の効果」です。ロボット治療の技術の進歩は、患者と療法士、双方の負担を軽減するだけでなく、人力では得られなかった高いリハビリ効果をもたらしてくれる希望の光になっています。ニューロテックに力を入れている医療機関であれば、ロボット治療と並行して再生医療を受けられる場合もあります。再生医療による神経の回復と相乗効果も期待できるので、おすすめです。

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再生医療(脳卒中・脊髄損傷の後遺症改善)福永記念診療所