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話題のニューロテックとは?先進医療で脳梗塞からの回復をサポー…

 ニューロテックとは、「神経障害をテクノロジーで治療する」を唱って、Neuron(神経)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせて命名されたもので、神経障害に対する再生医療+先進リハビリテーションとして、既に一般の医療機関にて臨床治療として実用化され、実績も積み重なってきています。

 

脳梗塞ではニューロテックが有効

 脳梗塞後遺症に対する治療として、先進リハビリだけでなく、再生医療を合わせて行うニューロテックが有効とされています。

再生医療(幹細胞治療、SGFOK)

 一般的にリハビリテーションだけでは、傷ついた神経・組織の回復は見込めません。必ず、神経や組織に栄養を送る血管や様々なサイトカイン、またそれらを修復するための幹細胞(自分を治す力)が必要になります。しかし、我々の持っている体内の幹細胞の割合は年齢とともにどんどん減っていきます。そこで、我々の体内の幹細胞や、人の幹細胞を体外に採取し培養などで1万倍程度に増やして、点滴等で補ってあげるというのが現在実用的な再生医療になります。これにより、「自分の治る力」を高めることが出来るのでリハビリの効果を最大化させることが期待出来ます。一般的に再生医療と聞くと、人工的に作製した脳と死んだ脳を取り換えることで、意識不明の人が歩き出すといった魔法の治療を想像される方もおられますが、そうではありません。

 ニューロテックの再生医療としては、自分の幹細胞を増やして点滴する幹細胞治療、幹細胞を培養した時に産生されるサイトカインを点鼻投与するSGFOK治療のコンビネーション治療が有効と考えています。

 平成26年9月、世界初のiPS細胞を使った移植手術が行われ、着実に成果を挙げています。今まで有効な治療法がなかった疾患に対して治療が出来るなど、国民の期待が高まる一方、新医療としての安全性を確保しながら迅速に提供する必要があります。11月には再生医療などの安全性確保に関する手続きや細胞培養加工の外部委託のルールなどが定められました。基礎研究から臨床段階までの一貫した研究開発、臨床研究やiPS細胞を使った創薬研究など、再生医療の実用化を推進する取り組みが、多くの大学研究機関や医療施設で実施されています

 

先進リハビリテーション

電気刺激療法(低周波治療)+反復運動療法

 自分で手足を動かすのに必要な筋出力量がほとんど得られなくても、筋肉の収縮を補助する(運動閾値※を下げる)ことで、手足を動かせる範囲を拡大させ、手足の動き方を再学習させて運動麻痺を改善させます。

※運動閾値:国際神経生理学会で定義した、50%以上の確率で50μVのMEP振幅を誘発できる最低の刺激強度値。

 

【効果】

・自分で手足を動かせる範囲が広がる。

・脳が手足の動かし方を再学習します。

・手足の筋肉が柔らかくなって、動かし易くなります。

・関節が固まり、動きにくくなるのを予防します。

・関節の変形を予防します。

・リハビリテーションが行い易くなります。

・痛みを和らげる効果が期待出来ます。

低周波治療と専門的リハビリテーションの組み合わせを継続することで、更なる効果が期待出来ます。

 

【具体的治療方法】

目標とする麻痺の筋肉に、全可動域を自分で動かせる程度の電流を流し、専門的リハビリテーションを組み合わせて行います。患者さんの疾患や状態、箇所により異なりますが、時間は5~30分くらいです。

 

【治療スケジュール】

低周波治療の効果は施術直後から見られることもありますが、2~3日目からゆっくり現れます。自分で手足を動かせる範囲が広がると、その効果は長期的に持続します。ただ、普段に動かしていないと、動かせる範囲が狭まって効果が徐々に消えて行きます。尚、効果には個人差があるので、医師と症状を相談しながら、治療計画を立ててください。

 

【安全性】

低周波治療は家庭でも肩こりや腰痛などに、一般的に利用されています。設定は20~50HZ、パルス幅50~250μsecで、専門的リハビリテーションと組み合わせて行います。尚、深部の筋肉を刺激する場合や皮膚に痛みを感じる場合は、設定の変更や中周波による干渉波を利用します。

 

【副作用】

以下のような副作用が現れます。これらの症状の多くは一時的なものですが、現れた場合は医師に相談してください。

・パッドを貼った部位が赤くなる

・パッドを貼った部位が腫れる

・筋の緊張を強く感じ過ぎる

・痛みや痺れを感じる

 

【適応外の状態:禁忌】

・心臓ペースメーカーを埋め込んだ患者、重篤な心疾患のある患者

・体内に金属が埋め込まれている患者

・筋収縮が禁忌となる病態(静脈血栓、術後など)

・傷や皮膚状態が悪い部位

・悪性腫瘍

 

ボツリヌス(ボトックス)療法

 ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質(ボツリヌストキシン)を成分とする薬を筋肉内に注射します。ボツリヌストキシンには、筋肉を緊張させる神経の働きを抑える作用があるので、筋肉の緊張を和らげることが出来ます。

 

【効果】

・手足の筋肉が和らいで、動かし易くなる。

・関節が固まって動きにくくなるのを予防する。

・関節の変形を予防する。

・リハビリテーションが行いやすくなる。 

・痛みを和らげる効果が期待出来る。

・介護負担が楽になる。

ボツリヌス療法後に、リハビリテーションを組み合わせて継続して行うことで、一層の効果が期待出来ます。

 

【具体的治療方法】

定められた筋肉数か所に細い針で筋肉注射を行います。

※静脈内注射や点滴注射ではありません。

1回の治療には15分~30分位かかります。

 

【治療スケジュール】

  • 治療目標の設定・投与日予約:痙縮などで困っていることなどを医師と相談して、治療目標を設定し、投与日の予約を行います。
  • 初回の投与を行います。
  • 医師と症状を相談しながら、次回の投与日を予約します。
  • 3~4ヶ月かけて経過観察を行いながら、2回目の投与を行い、以降の投与は③、④を繰り返します。

ボツリヌス療法の効果は注射後2~3日目からゆっくりと現れます。通常は3~4ヶ月間持続します。その後は数週間で効果は徐々に消えるので、治療を続けるには年に数回、注射をする必要があります。ただ、効果の持続期間に個人差がありますから、医師と症状を相談しながら、治療計画を立てる必要があります。

 

【安全性】

ボツリヌス療法は世界80ヶ国以上で広く認められ、使用されています。日本では手足の痙縮や頑迷痙攣、痙性斜頸、小児脳性麻痺患者の下肢痙縮に伴う尖足に対して認可され、今まで9万人以上の患者さんが治療を受けているので安心できます。

 

【副作用】についてのご紹介でした。

以下のような副作用が現れますが、これらの症状の多くは一時的なものですが、現れた場合は医師に相談してください。

・赤くなる

・注射部位が腫れる

・身体がだるく感じる

・痛みを感じる

 

【費用】

上肢・下肢痙縮治療には保険が適応されるので、1~3割負担で治療が受けられます。注射を行う部位や範囲によって費用は異なりますが、障害者医療証や高額療養費制度も利用できます。

 

ロボット療法

 医療用HAL®を使って、以下のように施術します。

  • 「歩きたい」と云う指令の電気信号を脳から末梢神経を通じて筋肉に伝達します。
  • 皮膚表面に漏れ出た微弱な生体電位信号を皮膚の貼り付けたセンサーが検出します。
  • 「動かしたい」と云う意思に従って、HAL®がアシストします。
  • 正しい運動を繰り返すことで、「歩けた」と云う感覚が脳にフィードバックされて、歩くのに必要な信号を少しずつ学習して行きす。
  • 歩く練習が出来るので、「歩きたい」意欲が引き出せます。

 

【対象者】

・神経筋難病患者(保険適用となるのは次の8疾患)

 ALS、筋ジス、SMA、SBMA、先天性ミオパチー、遠位型ミオパチー、CMT、

封入体筋炎

・その他、上記適応疾患以外で医師が使用可能と判断した患者さんで、脳卒中後遺症・脊髄損傷後の不全麻痺患者さんなど下肢が不自由な方(※医療用HAL®は保険適用外です)

 

【使用条件】

・目安として、身長145~175㎝、体重40~100kg

・著しい脊柱、関節に変形がないこと

・背もたれ無しで、ある程度座れること

・医療用HAL®の使用に理解があること

 

脳梗塞の治療の三本柱

脳を再生する

 脳梗塞は脳の血管が閉塞し、栄養を供給していた部分の脳細胞が壊れることによって起こります。脳梗塞ではその中心部分を保護することは困難ですが、周辺部分には急性期に「ペナンブラ」と呼ばれる、治療によっては脳細胞の保護、あるいは再生可能な領域があります。この領域の治療を目的として、種々の細胞を用いた再生医療の研究がなされ、一部では臨床応用にまで進んでいますが、多くはまだ基礎研究の段階ですから、しっかり基礎研究を積み重ね、安全性を十分チェックしながら、臨床応用に進む必要があります。

 

再生医療(幹細胞治療)

 骨髄細胞中には骨髄間葉系幹細胞と呼ばれる、いろんな細胞に分化出来る細胞があり、神経細胞やグリア細胞などの脳を構成する細胞にも分化出来ることが明らかになっています。動物による脳梗塞モデルで、骨髄細胞を脳内に直接移植や頸動脈内注入、静脈内注入などを行うと、移植された骨髄細胞が脳梗塞の部分に移動して、神経細胞やグリア細胞に分化し、脳梗塞が縮小し、機能的にも改善効果が見られると分かっています。また、骨髄細胞から分泌されるいろんな栄養因子が神経保護作用を発揮することで、脳梗塞の大きさが縮小していることも考えられます。骨髄間葉系幹細胞を用いた臨床治療の報告によると、中大脳動脈領域の脳梗塞患者に対し、患者自身の骨髄間葉系幹細胞を培養し、発症4-5週後と7-9週後の2回に分けて静脈注射を行いました。1年かけた長期観察によると、静脈注射された患者さんには、神経学的に有意な改善効果が得られたとあります。

 

再生医療(SGFOK治療)

 壊れた脳が実際に再生するためには、幹細胞が沢山集まり活性化し、神経や組織が再生出来る環境が必要です。その役割を果たすのがサイトカインです。サイトカインには、血管新生因子(VEGF)、脳神経保護因子(BDNF)、成長因子(GF)とその種類は何百と存在します。数多あるサイトカインが、相互作用を及ぼしながら、絶妙の調合で働いた時に色々な幹細胞が活性化し、壊れた脳を治していくことになります。また、サイトカインの産生は年齢とともに幹細胞の減少にともなって低下してしまうため、点鼻・点滴といった方法で補給しようというのがSGFOK治療です。

 

脳を保護する

 認知症を患う方は2025年には700万人にもなると云われ、脳血管性認知症はアルツハイマー型認知症の50%に次ぎ、20~30%を占める病気です。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳の血管の病気によって、脳の血管が詰まったり、出血したりして引き起こされます。脳細胞に酸素や栄養が送られなくなって、細胞が壊れ、本来細胞が担っていた機能を失うことで認知症になります。アルツハイマー型と診断された患者さんの中には脳血管障害を起こしていることも多く、脳血管性認知症の症状を来す場合もあり、混合型認知症とされることもあります。認知症の背景となる脳梗塞などの疾患にならないようにする一番の予防策が、生活習慣病の予防対策で、これまで幾たびか、このブログでも述べられてきました。ここでは、アルツハイマー型における対処、予防法を考えてみましょう。

 

アルツハイマー病における従来の定説

・アミロイドβ仮説:

 「アルツハイマー病は、脳内のアミロイドβペプチド(Aβ)が沈着して発症する」と云われて、定説化されてきました。実際、アルツハイマー型認知症を患う患者さんの脳には、老人斑が見られ、それを構成するのが、べとついたタンパク質の塊のアミロイドβでした。そこでアルツハイマー病の治療薬では、この「アミロイドβを取り除く」のを目的に開発が進められました。しかし、承認された治療薬といえども、物忘れや混乱状態の軽減は期待できても、効果が期間限定的なものに過ぎず、大きな治療効果が望めない状況でした。そこで「アミロイドβが原因ではないのでは?」との考えが出てきました。

 

脳を保護する方法:ReCODE(リコード)法

 現在、アルツハイマー病などの神経変性疾患の世界的権威と呼ばれているデール・ブレデセン氏が提唱する、認知症機能低下を防ぎ、症状の改善、回復を目指す予防法がこの「リコード法」です。

・アミロイドβは原因でなく結果

 脳は炎症・栄養素・毒素の3つの脅威にさらされると、防御反応としてアミロイドβを作り、脳自体を守ろうといます。でも、その脅威が強く、長く続けば続くほど、アミロイドβが過剰になり、その結果脳神経を破壊してしまうのです。つまり、防御反応を起こさなければならない状態の時には、既にアルツハイマー病の入口に立っているのです。

 

・アミロイドβが過剰になる36の要因

  • ApoE4と云う遺伝子の存在
  • 免疫システムの過剰反応による炎症
  • 栄養状態・栄養素の不足
  • 毒素にさらされる、金属による影響
  • 睡眠不足
  • 悪性微生物の体内繁殖など

 

以上のように大別された要因は遺伝子要因を除けば、現代型の生活が要因となっています。つまり、免疫システムが過剰反応するような運動不足や食生活による必要栄養素の摂取不足、周囲の環境での化学物質との接触やカビ類、睡眠時無呼吸症候群などを含む睡眠の質と量、ストレスの多い生活など、36の要因が複雑に絡み合ってアルツハイマー病になるのです。

 

・ReCODE法の基本ステップ

  • 異常特定のための精密検査

アルツハイマー病では少なくとも36の要因があるとされましたが、これら全てが異常である必要はありません。認知機能の低下の場合でも、血液化学検査では10~25の項目で該当、症状のない場合は、3~5項目の該当に過ぎません。検査項目の多くは内科、総合内科で検査が可能ですが、遺伝子、認知能力、脳容積、体内微生物病原体の有無は其々専門医の検査を受けてください。

 

  • 個別プログラムの策定

精密検査で最適な数値状態でない項目を最適化に向けて、個別のプログラムを作り、治療を行います。その治療の中心は「食事・運動・睡眠とストレスの軽減」で、服薬については他疾患の治療目的が中心になります。

1)他の疾患の治療:本来、体内には存在しない病原菌やカビが存在する場合や炎症が認められる場合は、アルツハイマー病以前にそれを治療する必要があります。

 

2)生活改善:アルツハイマー病の原因は現代型の生活と云えるので、生活改善がその治療の中心となります。

#1食生活-低炭水化物の野菜メインで、肉・魚はサイドの食事、夕食後~翌朝食まで12時間、朝食後~昼食まで3時間、開けることがポイントです。ただ、食品の性質によって、摂取すべきものと避けるべきものがあると云われます。また、脳梗塞予防における生活習慣病での食生活でも提唱される「三白を避ける」も重要です。三白は「製糖、製塩、白米」のことを云い、精製されて本来その食品が持ち合わせているビタミンやミネラルなどの豊富な栄養素が取り除かれているからです。

 

#2運動-1日45~60分程度のウォーキングやウェートトレーニングなどを組み合わせた運動が必要とされています。

 

#3睡眠-睡眠薬なしで1日8時間近い睡眠が大切です。そのためには、睡眠環境を整えることも重要で、運動も良質な睡眠を促す一つの方法です。

 

それ以外にも、ストレスの軽減、脳トレーニングの実施なども生活改善の方法と云えます。

 

3)サプリメント利用:必要栄養素が十分に摂取出来ない場合は、サプリメントで補う必要があります。

 

・ReCODE法の効果

ReCODE法は、早期のアルツハイマー病なら9割の改善効果がみとめられると、ブレデセン氏の著書「アルツハイマー病 真実と終焉」で示されています。ここで云う早期とは、認知症の症状が認められる早い段階と云う意味ではなく、アルツハイマー病疾患の早期と云う意味です。だから、検査を通じての早期発見と認知症の症状発生の予防が大切なのです。また、ReCODE法による治療効果が表れるには、6ヶ月程度かかる可能性があるので、一度の治療で効果が表れる治療法ではないと、心得ておきましょう。

 

身体機能を回復させる

川平法(促通反復療法):

医師の川平和美氏によって考案された脳卒中後遺症(片麻痺)に対する治療法で、脳の可塑性を最大限に高める目的で考案されました。CI療法(※1)の試行錯誤性やPNF(※2)の努力性を排除して、最大限に効率よく新経路が強化出来ます。

※1-CI療法:非麻痺側の上肢をスリングなどで制限し、患部の運動性を誘導する治療法。

※2-PNF療法:固有受容器(関節包、靭帯、筋紡錘、関節上の皮膚の動き)を刺激して、神経筋機構の反応を促通する方法で、末梢神経疾患だけでなく、中枢神経疾患の治療にも用いられ、最大抵抗を使うことで弱化した筋への発散効果を最大にします。

 

経頭蓋的磁気刺激療法(TMS):

磁気の刺激によって脳の活動を回復させる治療です。脳卒中の片麻痺やうつ病、パーキンソン病などの治療に用いられています。脳の運動を司る領域(運動野)は互いに制御する関係にあるため、rTMSを使って健側の運動野を抑制または障害測の運動野を刺激することで脳の回復を促し、合わせて集中的なリハビリを行うことで更に効果が高まると期待されています。

 

ロボット療法:

片麻痺の上肢では、装具での機能代償が困難でADLの向上が難しいとされています。比較的軽度の上肢麻痺に対するリハビリの一つはCI療法ですが、軽・中等度の上肢麻痺に対しては、上肢ロボットによる訓練機器が開発されています。密度の濃い機能的訓練を繰り返すことで、片麻痺が大きく回復する可能性があります。また、下肢麻痺に対しても、下肢訓練ロボットが開発され、転倒防止の安全を確保した上で、使用する方の状態に合わせた歩行トレーニングが可能です。

 

 

いかがでしたか、脳梗塞後遺症の最先端リハビリテーションとして、ニューロテックが有効であることに間違いはないようですね。

治療

再生医療(脳卒中・脊髄損傷の後遺症改善)福永記念診療所