脊髄神経のデルマトームをわかりやすく解説

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デルマトーム

デルマトーム(Dermatome)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
デルマトームとはどの脊髄神経がどこ皮膚の感覚を支配するのかを模式的に表したものです。
実際の臨床の場では、ここまで感覚があって、ここからの感覚がないので、障害されれている脊髄神経はここだ!というようにデルマトームから脊髄神経の障害部位を推測したり、どこまで麻酔が効いているのかを確認するために使われることがありますね。
しかしながら、身体中のどこがどこの脊髄神経の神経支配であるかを一対一で覚えるのには限界があります。
この記事では、そもそもデルマトームとはどのような言葉なのかということと、どのように覚えるのかのポイントをご紹介します。

デルマトームとは?

デルマトーム(Dermatome)とは一説には皮膚を表すdermat-と塊を意味する-omeという言葉が合わさってできた言葉と解説されています。
どの脊髄神経がどこ皮膚の感覚を支配するのかを地図の等高線のように身体を区切ってそれぞれを一つの塊として模式的に表したものです。
脊髄神経は8つの頸神経、12つの胸神経、5つの腰神経、5つの仙骨神経から分布が定められていて、それぞれC、T、L、Sと対応する数字の組み合わせによって記載されています。
例えば、頚神経の5つ目ならば、C5というように表記されます。

どこがどこを支配するのかはこうやって覚える

さて、合計30もの神経支配を全部覚えるのはかなり難しそうです。
そこで、この記事ではどの部位にどの脊髄神経の支配領域があるのかをざっくりと説明していきます。

首や肩の支配

まずは上から神経の支配領域を見ていきましょう。
C2が後頭部で、C3が首、C4にかけて肩へと数字を重ねるにつれて上から下へと向かうことがわかります。

上肢の支配

次に、上肢の支配についてはC5からC8とT1までの腕神経叢と呼ばれる神経の一群が支配しています。
それぞれの神経支配については説明を省きますが、基本的に腕の屈筋側(腕の曲がる内側)の上肢がC5から親指C6へと繋がり、腕の伸筋側(腕の曲がる外側)の方へとC7、C8、T1に体幹側に向かうに沿って変化していきます。

体幹の支配

体感領域で特に注目したいのは、T4とT6そして、T10です。
胸やお腹周りではなかなかどこがどの神経支配であるのか明確な区別がつきにくいのではないでしょうか?
見渡す限り同じような皮膚が続く中で、胸やお腹にある目標といえば、乳頭と胸骨、そして、お臍ですね。
体感支配のメルクマールであるT4は乳頭レベル、T6は胸骨の剣状突起レベル、T10は臍レベルということが体幹で覚えなくてはいけないポイントです。

腰部・下肢の支配

最後に腰部から下肢の神経支配についてまとめてみましょう。
まずは、鼠蹊部がL1です。次に膝のがL3、母趾がL5、そして肛門がS5です。

覚え方のポイント

さて、ここまでどのようにデルマトームが分布しているのかということについてお話ししてきましたが、やはり全て覚えるのは難しいかもしれません。
例えば、上肢の支配領域がややこしかったり、下肢の支配領域がどんどん下に向かっていったかと思えば、肛門はS5であるなんてところはとても覚えにくいのではないのでしょうか?
確かに複雑な分布になっている部分もありますが、これらは視点(姿勢)を変えてみるとわかりやすくなります。
というのも、デルマトームはもちろん人間以外の動物でも描くことができます。
例えば、猫のデルマトームをイメージで思い浮かべてみてください。
4つ足歩行の猫のデルマトームだとすると、顔の方から順に思い浮かべていくと、お尻の位置は一番後ろに配置されないでしょうか?
また、前足の屈筋群と伸筋群が前になることがわかると思います。
同じように、人間を直立した状態ではなく、前屈した状態でデルマトームを描いてみると、綺麗に前屈した前方から肛門側に向かってデルマトームが分布していることがわかりますね。

まとめ

ここまでデルマトームについて語源や研究について説明し、神経支配の分布やその覚え方のポイントまで解説しました。
この記事が病気や後遺症の理解に繋がり治療のお役に立てれば幸いです。

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貴宝院 永稔【監修】福永記念診療所 部長 再生医療担当医師 ニューロテックメディカル代表
《 Dr.貴宝院 永稔 》
大阪医科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

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