脳卒中を起こした人に求められる応急処置

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脳卒中の応急措置

脳卒中は一刻を争う病気です。
脳卒中になると、バランスを崩したり、意識を失ったりして、転倒することがあります。
自分や周りの人が脳卒中かもしれないと思ったとき、まず救急車を呼ぶことが大切です。

脳卒中を疑うサイン

脳卒中の重症度に応じて、症状が軽い場合と重い場合があります。
重い場合は、通常明らかな変化があらわれるのですぐに分かりますが、軽い場合は分かりにくいこともあります。
そこで、はじめにどのような症状があると脳卒中を疑うべきか、ご紹介します。

顔面の麻痺

顔の片側だけが垂れ下がって動かなくなる、口をうまく動かすことができずに飲んだものが口の片側から漏れてくるなどの症状は、顔面の麻痺を疑います。

腕や足の麻痺や痺れ

片側の腕が動かなくなる、持っていた箸を落としてしまう、力が入らなくて歩けなくなる、痺れて感覚がなくなるなども、脳卒中の症状のひとつです。

発語が不明瞭になる

突然言葉が不明瞭になる、言葉がでなくなる、または人の話す言葉がわからなくなるなども、脳卒中で認められることがあります。

目が見えなくなる

目がかすむ、特に片目の視力が低下する、ものが二重に見える、視野が半分になるなどの症状も脳卒中で起こることがあります。

頭痛、吐き気、めまい、ふらつき

突然発症する激しい頭痛、それに伴う吐き気やめまい、ふらつきなども、脳卒中でみられる症状です。
特に、脳出血やクモ膜下出血に特徴的な症状です。

バランスを崩す、意識を失う

突然バランスを崩して倒れること、意識を失ってしまうこともあります。
合わせて尿や便を漏らしてしまうことも起こります。

脳卒中を疑うときの最初のステップ

倒れている人
では、もしあなたの周りの人に脳卒中の症状が出たら、どのようにすればよいのでしょうか?
まず絶対に様子を見てはいけません。
症状がわずかであったり、治まったりしても、その状況を深刻に受け止め、早急に対応する必要があります。
というのも、脳細胞は死滅し始めるまでに数分しかかかりません。

そしていったん死滅してしまうと、復活することは非常に難しいからです。
ですから、症状が始まってから3〜6時間以内に治療を開始することが大原則(推奨として4.5時間内とも言われる)になります。
早期に治療を開始することで、復活するチャンスが格段に向上します。
では続けて復活するチャンスを向上させるために必要なことについて、続けてご紹介します。

救急隊に連絡する

脳卒中を疑うとき、最初にすべきことは応援を呼ぶことです。
もしあなた自身に脳卒中の症状が出ている場合は、誰かに救急車を呼んでもらいましょう。
ときには、朝目覚めたら麻痺が起こっていたということもあります。
そのような場合でも構いませんので、とにかく救急車を呼んでください。

情報を整理する

救急隊の到着を待つ間は、できるだけ落ち着いて、その場に横になるのがよいでしょう。
救急隊が到着するまでの間は、安全な場所で落ち着いて待ちます。
もし自宅内であれば、普段飲んでいる薬や過去の受診歴、診察券などを整理しておくことをお勧めします。
これらの情報は、救急隊員も必要とする情報ですが、病院到着後に診療の参考になる非常に重要な情報です。
その他にも、救急隊員に症状やいつ頃から始まったのかを伝える準備をしてください。
転倒したり、頭を打ったりしたかどうかも必ず伝えてください。

安静にする

応援が到着するまでは、安全な場所で安静にして待ちましょう。
脳卒中の人を介抱している場合は、その人が安全で楽な姿勢をとっていることを確認します。
特に手足の麻痺がある人や意識の悪い人は、体を大きく動かすことは避けた方がよいでしょう。
できれば片側を下にして横になり、頭を少し上げ、嘔吐しないように支えるのが望ましいと考えられています。
なお、ご本人には穏やかで安心できるような話し方を心がけましょう。

呼吸を観察する

ネクタイや衣服はゆるめ、リラックスできるように配慮します。
救急隊の到着を待っている間、呼吸をよく観察します。
ご自分で会話できる場合は、呼吸がしっかりとできている証拠なので心配は不要です。
ただ意識がない場合や会話ができない場合、呼吸の有無や呼吸の仕方を観察しておきましょう。
呼吸の観察は、胸の動きをよく見ることが有用です。
もし呼吸が苦しそうなときは、巻いたタオルや座布団を肩の下に入れると、空気の通りがよくなり、呼吸が楽になることがあります。
それでも、意識がなく、かつ呼吸もしていない場合は、心肺蘇生法を行う必要があります。

初期症状と初期対応を合わせて「FAST」と覚えましょう

脳卒中の初期症状と初期対応を合わせて覚えやすくしたものにFASTというものがあります。

Face
脳卒中の顔の麻痺の特徴として顔の片側に歪みが起こる
Arm
脳卒中による腕の麻痺も片側に症状が起こる
Speech
脳卒中の言語障害がある場合には、うまく言葉が出てこない
Time
脳卒中は、一刻も早い処置が必要になってくるため素早く救急車を呼ぶこと

の頭文字をつなぎ合わせており、それぞれ顔、腕、発語の麻痺であること、そして時間勝負で救急隊を呼ぶことを指導しています。

まとめ

脳卒中の初期症状、また初期対応についてご説明しました。
もし目の前にいる人が突然倒れたら、パニックになってしまうかもしれません。
しかし、皆さんの初期対応がその人のその後の人生を大きく左右してしまうかもしれません。
ぜひ初期症状を知り、疑わしいときでもまず救急車を呼ぶことを覚えておいて下さい。

貴宝院 永稔【監修】福永記念診療所 部長 再生医療担当医師 ニューロテックメディカル代表
《 Dr.貴宝院 永稔 》
大阪医科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

脳卒中ラボ管理人

投稿者プロフィール

脳卒中・脊椎損傷や再生医療に関する医学的見地から情報発信するブログとなっております。
それらの情報に興味のある方、また現在もなお神経障害に苦しむ患者様やそのご家族の方々に有益となる情報をご提供して参りたいと考えております。

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