治りにくい目の充血は脳出血の前兆かも
《 目 次 》
目の異常は脳とは関係ないように思えるかもしれませんが、脳出血の前兆となっている場合があります。
そのため目の異常の原因を調べて適切に対処することで、脳出血を防げることがあるのです。
この記事では、脳出血と目の異常の関係やものが見える仕組みなどをご紹介します。
目の異常は脳出血と関係する可能性
脳出血が起こると頭痛や吐き気、麻痺、言語障害などさまざまな症状があらわれますが、目の異常が現れることもあると知られています。
また視野が狭くなる、目がかすむ、ものが二重に見える、目の奥が痛む、目が充血するなどなどの症状が、脳出血の前兆として現れることがあるのです。
そのため目の異常の原因を検査し適切な対処を行うことで、脳出血を防げることがあります。
ものが見える仕組み
ものを見るときに対象物に視線を合わせるために眼球を動かします。
眼球の運動に関係している神経は、動眼神経と滑車神経、外転神経です。
またものを見るとき、対象物にピントが合うように水晶体の厚さを調節します。
水晶体の厚さの調節に関係している神経は動眼神経です。
目に入った光は網膜で電気信号に変換され、それらの信号は大脳皮質にある視覚野まで伝わります。
視覚野でそれらの情報が処理されて見たものを認識できるようになるのです。
この信号の通り道を視覚経路といいます。
脳出血により眼球運動や水晶体の厚み調節に関係している神経が障害されたり、視覚経路のどこかに問題が起こると目の異常として現れるようになります。
治りにくい目の充血は脳出血の前兆とも
目が充血すると目の血管が膨らみ、白目の部分が赤く見えるようになります。
原因は、花粉やゴミ、目の疲れ、紫外線、アルコールなどさまざまです。
しかし、中には海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻のように放っておくと脳出血を引き起こす可能性があるものがあります。
硬膜動静脈瘻とは
脳は硬膜で覆われており、硬膜の中には静脈と動脈があります。
本来、静脈と動脈は毛細血管を介してつながっています。
しかし、毛細血管を介さずにつながてしまっている状態を硬膜動静脈瘻といいます。
圧の高い動脈血が毛細血管を介さずに直接静脈に流れ込んでしまうため、静脈内の圧が高くなり脳へ血液が逆流するなどの循環障害を引き起こしてしまうのです。
循環障害を起こしている部位により意識障害や認知障害、麻痺、感覚異常などさまざまな症状が現れます。
進行すると脳出血を引き起こすこともあります。
海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻とは
海綿静脈洞とは、目の真後ろあたりにある硬膜静脈洞です。
内部に内頚動脈や外転神経が走行し、外壁には動眼神経や滑車神経、眼神経などが走行しています。
海綿静脈洞に硬膜動静脈瘻ができてしまうと、眼に充血が起きたり、眼球が飛び出してきたり、眼球が自由に動かなくなったり、瞼が開けにくくなったり、ものが二重に見えるようになったりします。
硬膜動静脈瘻の治療
硬膜動静脈瘻の治療は、血管内治療(カテーテル治療)、開頭手術が行われています。
医療技術、機器の進歩により大部分の硬膜動静脈瘻は、カテーテル治療で治癒できるようになりました。
カテーテルで、動脈と静脈がつながっている部分近辺の血管を詰めて、異常な血流を遮断します。
海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻を早期発見するには
海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻を放置しておくと、症状が進行するだけでなく治りにくくなるため、出来るだけ早く発見して適切な治療を受ける必要があります。
海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻の初期症状は目の充血ですが、目を休ませたり目薬を指したりしても充血が改善しない場合や、眼球突出や眼球が動かしにくくなるなど充血以外の症状が出てきたときはすぐに医療機関で診察を受けるようにしましょう。
脳梗塞の前兆と目の異常の関係
脳梗塞が発症する前に、一過性脳虚血発作という前兆が現れる場合があります。
一過性脳虚血発作は、一時的に血流が悪くなることで麻痺やしびれ、呂律が回らないなどの症状が現れることです。
症状は一時的なもので大部分は数分~1時間以内に消失します。
一過性脳虚血発作で現れる目の異常として、半盲や複視、一過性黒内障といった視覚障害などがあります。
一過性脳虚血発作は、症状が消失したとしても脳梗塞が発症しやすい状態であることに変わりはないため、放っておかずに出来るだけ早く医療機関にいって診察してもらうようにしてください。
前兆に気づかずに脳出血が発症したら
不幸にも前兆に気づかずに脳出血が発症し後遺症が残ってしまった場合は、リハビリを行う必要があります。
しかし、リハビリだけで失われた機能が完全に回復することはほとんどありません。
そこでおすすめしたいのが、当院で行っている脳卒中や脊髄損傷の後遺症改善を専門とした再生医療とリハビリを組み合わせた新しい複合治療法「ニューロテックⓇ」です。
損傷を受けた脳細胞や神経を再生しやすい下地作りをしてあげることで、リハビリにより大きな機能改善が期待できるようになります。
少しでも興味をもった方はお気軽にご相談くださいませ。
正しい知識を身につけて脳出血を予防しましょう
脳出血と目の異常の関係などをご紹介しました。
目の充血が脳出血と関係していると考えられる方は少ないでしょう。
しかし、これを知っていれば脳出血を未然に防ぐことができかもしれません。
正しい知識を身につけて、万が一のときに適切な行動をとれるようにしておくことが大切です。
脳卒中・脊髄損傷、再生医療に関するご質問・お問い合わせは、
こちらのメールフォームよりお願いします。
ニューロテックメディカル代表
《 Dr.貴宝院 永稔 》
大阪医科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。
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